長期テスト スバルBRZ(最終回) コスパの良いドライバーズカー
公開 : 2019.07.24 19:10
後席はつらい 感心しきりの燃費
わたしの担当する長期レポート車では恒例となっているが、初回のテストでは3人の親友をBRZに詰め込み、大学の同窓会に向かった。しかし、これは良い選択とは言えなかった。ホットハッチならこのようなシチュエーションもお手の物だが、BRZにとっては非常に困難な状況だった。前席の人が前までシートをスライドさせない限り、身長が120cm以上なら誰でも後部座席に足の余裕はないと感じるだろう。
我慢できなくはないが、360km程度の移動中に立ち寄るサービスエリアの数は増えたとだけ言っておこう。おそらく、わたしはBRZに乗って鍛えられたのだ。スバルはBRZの開発中、荷物が載るようなクルマを作ろうとは一度も考えていないはずだ。
しかし、スバルはBRZを手頃なモデルにしたかったとみえる。M1を爆走しても、燃費に関して優秀な数値を出し続けた。
郊外での燃費は19.0km/ℓ程度とスバルは言うが、それでも実際に巡航して平均17.9km/ℓが出たときは驚いた。かなり古典的なドライブトレインでありながら(ターボすらついていない)この燃費とは、背後にあるメーカーの努力に頭が下がるばかりだ。
市街地では郊外ほど感心できず、しばしば平均7.5km/ℓほどを見せることもあった。このクルマにはスタートアンドストップ機構は備わっておらず、渋滞にはまると大きく数値を落としてしまった。それでも、BRZが市街地に不向きというわけではない。