試乗 アルピナ現行ディーゼルモデルで探る「らしさ」 アルピナD3/D4編
公開 : 2019.07.20 20:50
アルピナD3の内外装を見てみる
D3が搭載するエンジンはその車名にも現れる通りディーゼルだ。
BMWのN57系3ℓ直6をベースに、大小2つのタービンをシンクロコントロールするビターボ=ツインターボ化。吸排気系のチューニングやインタークーラーの大容量化などで燃焼行程の高効率化を図り、ECUも専用のマップに書き換えられている。
そのパワーは同型式のエンジンを積む335dに対して37ps高い350ps、トルクは7.1kg-m高い71.4kg-mと、3シリーズの車格を鑑みれば十分なもの。0-100km/h加速は4.6秒、最高「巡航」速度は276km/hと、この数字に不満を覚えるドライバーはいないだろう。
外装はアルピナ・デコセットと呼ばれるストライプが車体をぐるりと取り巻き、フロント周りにはロゴを象ったチンスポイラーを配する。そして足元はフィンタイプのホイールが飾り……と、お馴染みのお化粧は基本的に昔から変わらない。
内装についてもブルーのメーターパネルに明るい赤みを放つ楡杢のオーナメントトリム、南独産のラヴァリナレザーを巻いた細握りのステアリングなど、試乗車はその使命を果たすべく、全力のアルピナ仕様となっていた。もちろんこれらはオプションの選択時に如何様にでも設えることが可能だ。
エンジンの始動音にことさらな誇張がないのは、D3がディーゼルエンジンのモデルだからというわけではない。これがガソリンエンジンのB3であっても、そういった演出は控えられている。
エンジンチューナーの出自でありながらレーシーさを指向しているわけではない、どちらかといえばラグジュアリーの側にブランドの軸足があることが、この控えめな演出からも伝わってくる。