新型 メルセデス・ベンツGLS 400d SUVのSクラス モデルチェンジ BMW X7の好敵手
公開 : 2019.07.24 10:10
オンロード・パフォーマンスはSUVの範疇内
英国でのリリース当初に提供されるエンジンは、330psを発生させる3.0ℓのディーゼルターボのみ。車重が2.5tもあるだけに動き始めにエネルギーを必要とするが、走り出してしまえば充分なパワーとトルクで、アクセルペダルに乗せる足に力を軽く入れれば、必要なスピードをスムーズに得ることができる。
直列6気筒のディーゼルエンジンはとても静かで、GLSのオーナーが定期的に走らせるであろう長距離移動の面でも適している。WLTPサイクルでの燃費は、10.2〜11.6km/ℓとアナウンスされている。ガソリンエンジンとしては、367psの3.0ℓ直列6気筒エンジンを搭載したGLS450が、来年に導入予定となっている。
パワートレインに関係なく、GLSのオーナーが積極的にオフロード走行を楽しむとは考えにくいが、メルセデス・ベンツのエンジニアは厳しい悪路でも、平静を保って走破できる能力を与えたとしている。1495ポンド(20万円)のオプションとなるオフロード・パッケージを選択すると、GLSにはより悪路向けのドライブモードが追加され、ローレンジを備えたトランスミッションとトルク・オンデマンド型のアスクル・ロックシステムが装備される。今回の試乗コースの一部でもあった、ユタ州のATVトレイルコースでは充分な仕事を発揮し、簡単に走り抜けることが可能だった。
GLSが示したオンロードでの走行パフォーマンスは、あくまでもSUVの枠に留まるものだったことは確か。巨大なボディに豪奢な装備を満載した車重は軽くなく、メルセデス・ベンツのエンジニアは相当な努力をしたとは思うが、物理的な法則を克服することは難しいのだろう。だとしても、ラグジュアリーで長距離移動も安楽にこなせる、広々としたグランドツアラーであることは間違いない。