ロードテスト メルセデス・ベンツGクラス ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2019.07.28 09:50
快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆
粗くて騒々しく、ムラのあるこれまでのGクラスのオンロードにおけるマナーに馴染んでいるならば、このクルマで経験したことが信じられないのではないだろうか。ディーゼルエンジンは振動もなく回りはじめ、アイドリングは高級サルーン並みに静かだ。
負荷をかけるとわずかに音は高まるがスムースさは損なわれず、回転を上げても息切れせずに回る。113km/h巡航時の室内ノイズは65dB。これはディーゼルエンジンを積む1500万円級のいかなる高級車とも勝負になる騒音レベルだ。ボディ形状やドアミラーのサイズゆえに、高速道路で多少の風切り音を生じるのが避けがたく、それは実際に感じ取れるが、煩わしいほどではない。
いっぽうで乗り心地は、リジッドアクスルのクルマに予想されるよりクッションが効き、静粛で、洗練されたもの。だが、ほとんどすべての大型高級四駆が、十年以上も前にモノコックと四輪独立懸架への移行を図った事実を忘れてはならない。このGクラスとて、そのしなやかさやバンプを越える際の巧みさで、完全に期待に沿うものではない。しかし、問題はない。大きな入力があった際には、時としてリアアクスルの動きの神経質さがわずかながら感じられ、なにに乗っているかを思い出させるが、快適な乗り心地を乱すものではない。