日産370Z NISMO
公開 : 2013.06.15 17:01 更新 : 2021.03.05 18:51
■どんなクルマ?
日産370Z NISMOは、まったく新しいモデルというわけではない。クーペのマニュアル・ミッションに設定されてきたモデルだ。この370Z NISMOは、シフトダウンする時に自動的にヒール・アンド・トゥのように回転を併せてくれる機構を持つ。
そのエンジンは、標準の370ZよりもECUのチューンで16bhpパワー・アップされている。
エクステリアでは、スポーツ・エグゾーストが大きな違いだ。その2本のパイプは10mm太くされている。また、ボディ下部の空気の流れを滑らかにするスプリッターとサイド・シルが装備され、リアには大きなウイングも付く。ちなみにフロント・スピリッターを装着したため、そのボディの全長は150mm、オジリナル・モデルよりも長くなっている。
装備は、衛星ナビゲーション・システムとバック・カメラが標準となり、本革とアルカンタラのインテリアは、赤いストライプがアクセントとして入れられる。
■どんな感じ?
370Z NISMOは、5本のストラットを入れてボディを強化している。サスペンション・セッティングは、日産テクニカル・センター・ヨーロッパで開発され、日本のNISMOで製造されたもので、フロントに14%固いスプリングが装着され、ダンパーはフロントが23%、リアが31%固められたものが装備される。
その乗り心地は、プアな路面でも問題はなく、とりわけ高速道路での落ち着きと抑制は特筆に値する。
パワートレーンは、スタンダード・モデルとの違いをあまり見い出せないというのが正直なところ。確かにパワー・アップした結果、0-100km/h加速は01秒速い5.2秒となっているが、トップスピードはリミッターで制限される250km/hのままだ。
確かに高回転で僅かに伸びる感じはするが、サウンドやバイブレーションはノーマルの370Zと変わりないようだ。
そのパワーを活かしてオーバーステアに持ち込むことは簡単だ。また、GT-Rから移植されたフルードとホースを持つブレーキは短い踏み代でコントロールでき、ステアリングも若干クイックになったような気がした。
■「買い」か?
370Z NISMOは、スタンダードな370Zよりも、確実に速く、そして落ち着いたモデルだ。しかし、その価格はポルシェ・ケイマンが購入できるレベルに達してしまっている。そう考えると、モデルとしての寿命も終りに近い370Zと、最新のケイマン、どちらを選ぶかの答えは自ずと出るはずだ。
(ニック・マハー)
日産370Z NISMO
価格 | £36,995(547万円) |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速 | 5.2秒 |
燃費 | 9.5km/ℓ |
CO2排出量 | 248g/km |
乾燥重量 | 1535kg |
エンジン | V型6気筒3696cc |
最高出力 | 339bhp/7400rpm |
最大トルク | 37.9kg-m/5200rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |