約25億円の予想落札価格 世界2台のみ マクラーレンF1のLM仕様、出品へ
公開 : 2019.07.25 12:25 更新 : 2020.12.08 18:48
LMと標準仕様 大きく異る点は
伝説はまだ続く。発表から数年後、マクラーレンはこのクルマをレースにも参戦させることにした。レース仕様に改造されたマクラーレンF1 GTRは、1995年のル・マン24時間レースで期待どおり総合優勝を決め、さらに3位、4位、13位でフィニッシュした。
この成功を記念して、マクラーレンがサーキット走行に最適化させ、しかし公道走行も可能な車両として製作したのが、F1 LMだ。最初に6台のF1 LMが製造された(そのうち1台はプロトタイプ)が、後に2台のF1がマクラーレンによってLMスペックにコンバートされた。
このシャシー・ナンバー018は、そのコンバートされた2台のうちの1台だ。
LMが標準仕様のF1と大きく異なる点は2つある。
1つめは、エアロダイナミクスの効果を高めるために、ハイダウンフォース・キットが装着されていること。改良されたノーズにはスプリッターが加えられ、ダクトも拡大されている。大型のリア・ウイングは、GTRから受け継がれた。
そして2つめは、よりパワフルなLMスペックのエンジンが搭載されていることだ。BMW製V12エンジンは、カムシャフトとピストンがアップグレードされ、圧縮比も高められた。これによって最高出力は689ps/7800rpmに向上。エアプレッシャー・センサーも追加されている。
マクラーレンによってLMスペックにアップグレードされた2台のF1(これがその1台)は、さらに特別だ。エクストラ・ハイダウンフォース・キットが装着されているため、空力性能はさらに高くなっている。
また、他のLMには見られない多くのオプションも装備されている。例えば、最初に製造された5台のLM(とプロトタイプ)の車内は明らかにスパルタンな仕様だが、2台のコンバージョン・モデルはエアコンやオーディオ、14インチのステアリングホイールが装備され、より大径の18インチGTRホイールが装着されている。