スバル・アウトバックに対抗 欧州フォード、クロスオーバー型ワゴンを計画

公開 : 2019.07.25 19:40

冒険好きな家族に

フォードが欧州にミディアム・ハイトのクロスオーバーを投入しようとする計画の背景には、伝統的な大型SUVのラインナップでは、将来ますます厳しくなる排ガス規制に適合することが難しいという事情も透けて見える。

同じ理由から、より燃料消費が多くなる四輪駆動が、欧州でこの新型車に用意されるかどうかも不明だ。代わりに電子制御式のトラクション・コントロール・システムが、滑りやすい路面における走行を助けることになるだろう。

フォードはこの新型車が、現在の市場で多数を占める「冒険好きな家族」にアピールすることを期待している。この種の顧客は、SUVより低いランニングコストと、使いやすくて広い荷室や、運転時に快適な目線の高さを同時に求めるからだ。

この新型車は、既存のモンデオ、S-MAX、ギャラクシーに替えて投入されるが、おそらく3車種を合わせたよりも多く売れるだろう。欧州における昨年の販売台数は、モンデオが5万台、S-MAXが2万4000台、ギャラクシーが1万2000台だった。この数字では十分な利益が上げられたとは言えない。

新型車の投入と同時期に、フォードは4車種のMPVを廃止する。MPV市場は近年縮小しつつあるため、今年夏にはC-MAXとグランドC-MAX、そしてルーマニアで生産されているコンパクトMPVのB-MAXが生産を終える。来年になればギャラクシーとS-MAXもこれに続くだろう。

B-MAXは、先日発表された新型ピューマが実質的な後継車となる。そしてフォードは現在のC-MAXオーナーを、新型コンパクトSUVのクーガに誘導したいと考えている。モンデオとS-MAXの顧客はフュージョンが受け皿となり、ギャラクシーのユーザーはより小型の7人乗りSUV、トランジット・エッジに引き継がれる。

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