新生アルピーヌA110開発エンジニアが来日 語る、誕生までの裏話 前編
公開 : 2019.07.27 11:50 更新 : 2021.05.13 12:00
新生アルピーヌにジョインした経緯
アルピーヌのいちファンとしてA110/50で十分に満足していたそうだが、モナコGPの数週間後、再びドースはタヴァレスから電話で呼び出される。
「アルピーヌを再び立ち上げるからエンジニアとプロジェクト、双方のディレクターをやって欲しいといわれたんです。まさか本当にそんな話が実現するとは」
「兼職がキツいのもプレッシャーが凄いのもわかっていましたし、ほんの一瞬だけ迷いましたが、こんなチャンスは二度とないし、その場で引き受けたのです」
2014年まで、彼は新しいA110の車体アーキテクチャやスタイリング、ドライブトレインやサスペンションの基本設計を決定した後、ルノー・スポールのコンペティション・ディレクターとなる。
後任としてA110のプロダクト化フェイズを担ったのは、デヴィッド・トゥイグだった。
「戻って来る以前から、デヴィッドがわたしがフィックスした方向性に忠実に仕上げてくれたことはわかっていましたよ」
「コンパクトとマスの最小化を図ることで、途方もないパワーでなくても俊敏性、アジリティを得ること。RRでなくMRレイアウトとしたのは、アルピーヌがもし進化を続けていたら当然そうなっていたであろう、自明の理でした」