英国におけるGT-R「ゴジラ」 ハコスカ+R32スカイライン 50周年比較試乗 前編
公開 : 2019.08.03 07:50 更新 : 2020.12.08 10:40
3500〜7000rpmのフィーリングは虜になる
アシストの付かないステアリングは、太いタイヤを履いていることも加わり、低速域ではかなり重い。しかしスピードを上げていくと徐々に軽さが出てくる。ステアリングのレシオは標準のスカイラインよりだいぶクイックに設定してあり、俊足なGT-Rに合わせるように、ハンドリングのレスポンスが高められてある。
クラッチは比較的軽くつなぎやすい。シフトノブは小さなクリック感を伴って、ゲートを滑らかに動く。柔らかめのサスペンションは標準装備のままだが、多くの場合は車高が下げられ、硬く改造されている。インスツルメント・パネルには双眼鏡のような円形のパイプが並び、タコメーターのレッドゾーンは7500rpmと高回転で切ってある。
ただし、今回のクルマは、イングランド北東部のダラムにあるGT-Rヘリテージ・センターで最近リビルドされたばかりだから、あまり回転数を上げないようにしておく。ヘリテージ・センターのボス、デーブ・ウォーレナーによれば、3500rpm以下のパフォーマンスは大したことはないが、そこを超えるとエグゾーストノートの音質が変化し、7000rpmまでのフィーリングは虜にさせてくれるユニットだと話す。
「ハコスカも今でも飛ぶように走ります。GT-Rのボディ自体は標準のスカイラインと大きな違いありません。ハコスカGT-Rの価格の大部分は、桁外れのSR20エンジンが占めていると思います。しかも手に入れたとしても、リフレッシュに5万ポンド(680万円)ほどは掛かるんです。GT-Rのシャシーのポテンシャルを引き出すには充分な力強さを秘めていて、メカニカルグリップにパワーが勝つほど。コーナーで攻め込んでいくと、オーバーステアになりやすい性格も備えています」 とウォーレナーは話す。