初試乗 新型 BMW 318d 光る素質の高さ 比べるとわかる320d Mスポの良さ

公開 : 2019.07.29 10:10

320dを知ってしまうと、318dでは物足りない

今回評価するクルマは、320d Mスポーツではなく、318d。同じ3シリーズだが、エンジンの出力と、ハンドリングやシャシーセッティングで異なるグレードとなる。往々にして、商売的に設けられた今回のようなふたつのグレードの間には、明確な違いは殆どないことが多い。クルマとしてもほとんどが同じ内容ではある。しかし3シリーズの場合、違いは充分に体感できるものだった。

まずはエンジンを見ていくと、318dに搭載されているのは、320dと同じ2.0ℓ4気筒ユニットで、格差を設けるためにディチューンしてある。最高出力は40psも低い150psで、最大トルクは8.1kg-m低い32.5kg-m。組み合わされるのは、とてもできの良い8速ATとなる。

一般道の範囲では、トップエンドまで回さない限り、充分以上に満足できるパフォーマンスを備えている。しかし320dが持つ、楽しさに溢れたパンチ力は存在していない。もし320dを試乗しなければ、318dに不満を感じることはないだろう。反面、もし320dを知ってしまうと、物足りなさを感じるかもしれない。

後輪駆動の3シリーズは、コンパクト・サルーンというカテゴリーの選択肢では最も優れたドライバーズカーだということは周知の事実だ。そして、318dもその事実は変わらない。Mスポーツではない318dであっても、メルセデス・ベンツCクラスよりも優れた才能の持ち主のままだ。

しかし、英国ではすべてのグレードで選択可能なMスポーツ・グレードと比較すると、その差は小さくない。Mスポーツには、Mスポーツ・サスペンションと、バリアブル・スポーツ・ステアリングが付いてくる。

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