仕上がりはセンセーショナル ポルシェ718ケイマンGT4 NA4.0ℓフラット6 420ps

公開 : 2019.07.31 10:10  更新 : 2019.08.01 23:27

一体感に満ちた金メダル級のシャシー

ステアリングホイール自体も純粋主義を貫いている。直径とリムの太さはスイートスポットを突いたもので、初期の操舵感に影響を及ぼすため、ボタンやトグルスイッチ、スクロールダイヤルなどは一切配されていない。ステアリング・コラムのレバーを操作するには少し腕を伸ばす必要があるものの、強いていえば、という程度。

試乗車にはクラブスポーツ・パッケージが選ばれており、スチール製のロールケージが組まれていたため、斜め後方の視界が一部遮られていたが、それも許容範囲。シートに身体を収めることが心地良い、素晴らしい場所だといえる。

シートベルトを締めたら、運転の時間だ。もしこれまでのGT4を運転したことがなければ、新しいGT4のドライビング・エクスペリエンスは、何かに導かれているかのような一体感に満ちていると思えるだろう。これまでのGT4とは不思議なほどに異なっている。

このクルマは5つ星を与えるに相応しい、金メダル級のシャシーが備わっている。バランスに優れ、セルフセンタリング性も極めて高い。コーナーへオーバースピード気味に突っ込んでしまって修正を加えても、コーナリングラインを途中で変えても、クルマは挙動を大きく乱すことなく直ぐに落ち着き、確実なトラクションを保ち続ける。

これが先代から大きく向上したダイナミクス性能の顕著な部分。安定性に欠け、グリップ抜けした途端、素早く対応するための操作を必要としていた悪癖は消えたといって良い。新しいGT4のロードホールディング性は望外に高い。だが、やはり限界を超えてしまうと、適切なステアリング操作がなければ、心臓が止まるようなことになるだろう。

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