フォルクスワーゲンのディーゼル不正に集団訴訟 最大の争点は「補償額」 英
公開 : 2019.07.30 18:10
ディーゼル不正があったとされるVW車オーナーたちによる集団訴訟が英国で始まります。原告側が勝ち取れると予想される補償額は総額数百億円とみられていますが……。
もくじ
ー 求めるのは処罰ではなく補償
ー VW「米の調査結果、英の法的拘束力なし」
ー 原告側、被害や損害を主張
ー 最大の損害は、残価価値の減少
ー 損害額はどのくらいになるか?
求めるのは処罰ではなく補償
フォルクスワーゲンが、ディーゼル排ガス不正で問題となった車両のオーナーたちに総額で数百億円にのぼる補償を支払うべきかどうかを決めるため、来年春に高等法院で裁判が始まる予定だ。
フォルクスワーゲンと弁護団によると、英国では約9万5000人のオーナーが集団訴訟を起こしているという。これは同国で起きた集団訴訟で史上最大の人数だ。4年間にわたる最後の予審が12月に行われ、2020年に行う裁判の日付と詳細について双方から同意を得ることになっている。
フォルクスワーゲンと争うのは、ロンドンの法律事務所であるフレッシュフィールズ・ブルックハウス・デリンガーと、スレーター&ゴードンが率いる11人の弁護士団体、そしてPPGローやレイ・デイといった法律事務所の代表だ。
オーナー代表者側の人数は、しかしながら変動しており、最近の数か月で減っている。重複または無関係な要求も排除された。AUTOCARの調べによると、ジープやジャガーのオーナーがこのリストから取り除かれたという。
裁判は、刑法ではなく民法に基づいて行われる。つまり争点は、違法であることに対する処罰を求めるのではなく、オーナーに対する補償になる。その法的議論は、「スリーホールドテスト」と呼ばれる3点の中心になるだろう。
スレーター&ゴードンは、8か月から9か月にわたると予想される裁判で、3つのオーナーが求める補償の引き上げをすべて勝ち取らなければならない。双方とも主張を助けるために技術的な専門家の集団を用意すると思われる。