バウハウス開校100年 アウディが育んだデザインの重要性 初代TTレストア車両も展示
2019.07.30
2人の日本人とデザイン
柏木博(かしわぎひろし)氏
ーーデザイン評論家・武蔵野美術大学名誉教授。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート名誉フェロー。近代デザイン史専攻。1946年生まれ。武蔵野美術大学卒業。著書「家事の政治学」岩波書店、「モダンデザイン批判」岩波書店、「視覚の生命力」岩波書店、「しきり」の文化論」講談社、「玩物草子」平凡社、「探偵小説の室内」「日記で読む文豪の部屋」白水社、「わたしの家」亜紀書房ほか多数。展覧会監修:「田中一光回顧展」東京都現代美術館ほか多数ーー
最初に登壇した柏木氏は、バウハウスの歴史を中心としたアウトラインを解説。
和田氏は、ドイツ製品にあこがれた幼少期から日産のデザイナー時代、英国のロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)への留学、アウディデザインを経た現在までを、「継承」と「人」をテーマとして点を線でつないでいくようにプレゼンを展開していく。
和田智(わださとし)氏
ーーSWdesign代表・元Audi Designデザイナー。武蔵野美術大学卒業後、日産自動車入社。「セフィーロ」(初代)や「ハイパーミニ」(電気自動車)などのエクステリアデザインを担当。1989年英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート留学。1998年、アウディに移籍。コンセプトカー「Avantissimo」(2001年)、「Pikes Peak Quattro」(2003年)をデザイン。市販車では、「アウディA6」に始まり、「アウディQ7」、「アウディA5」のエクステリアデザインを担当。エキスパートシニアデザイナー兼クリエイティブマネージャーを務めた。2009年に独立し、SWdesignを主宰。国内外の自動車メーカーをクライアントとして、カーデザイン並びにデザイン監修をおこなっているーー
和田氏のプレゼンの中では、アウディデザインのデザイン場で見た最初のモデルとなる、TTのデザイン起源(公にはDKWモンツァが原型といわる)を和田氏なりに考察する場面や、カーデザイナーとの交流、氏がデザインしたA6にアウトユニオンのレースカーのグリルをモチーフとして引用しているエピソードなど、まさに歴史と人が繋がり、それを継承するデザイナーとしての想いが語られた。