ヒルクライムの相棒 1971年式TVR 2500 保険金で兄から買った 前編
公開 : 2019.08.10 07:50 更新 : 2021.02.17 17:44
リビルトを決意し実家の街のガレージに
TVR 2500で自動車通勤を数年楽しんだハンクだが、ブレーキとサスペンションのリビルトを決意し、一時的に降りることに決めた。「実家のあるコーンウォールに戻したのは1994年。週末にリビルトする目的で、ガレージを借りました。しかしロンドンでの仕事が忙しくなり、TVRはガレージや倉庫を転々と移されました。他に所有していたクルマも作業の時間を奪いました。結果として、それが退職後の楽しみになったのです」
ハンクが他に所有していたクルマは、ルノー・クリオ・ウイリアムズやデイムラー・ダート、ポルシェ928Sなど。バイクも好きで、サンビームS7デラックスやMVアグスタなど、様々なモデルに乗っていたという。
デイムラー・ソブリンはカートのトレーラーを牽引できるように改造され、友人と4.5時間の耐久レースに参加した。「カートはとても楽しいものでしたが、お金がかかりすぎるので2010年に辞めました。その当時、TVRを保管していた倉庫を使いたいと親戚ががいい出したので、コーンウォールの別のガレージを借りて、レストアを始めました。エンジンをおろして、当時乗っていたメルセデス・ベンツCLKの助手席を外して、ロンドンまで積んで帰りました」
「職場の上司がエンジンスタンドを貸してくれて、アパートの地下駐車場でリビルトを始めたんです。冬の間は地下駐車場は寒くて湿っぽく、風も吹き込んできました。電気もない状態で、ミシュランマンのように着込んで作業しました。クルマのメンテナンスはだいたい自分でしますが、そこまでバラして本格的にしたのは初めて。すべてにラベリングをしながら、半ば強迫観念のようなものを感じつつ、部品を外していきまいした」