ヒルクライムの相棒 1971年式TVR 2500 保険金で兄から買った 後編

公開 : 2019.08.11 07:50  更新 : 2021.02.17 17:44

フェラーリ250GTOから発想を得たペイント

ボディの塗装は、メタリックブルーの下に見えるオリジナルのイエローを活かしたいと考え、ベルギーのレースに参戦していたフェラーリ250GTOにインスピレーションを得たという。「メタリックシルバーは好みではありませんでした。サーフェス&デザイン社が色見本を送ってくれましたが、決めるのは難しい作業でした。結局、ローバー・トーガ・ホワイトという白色で塗り、イエローのストライプをステッカーで貼ることにしました」 と経緯を話すハンク。

ジェームズ・ミッチェルとロス・シャープの手を借りて完成したシャシーを、塗装が仕上がったボディとをマリアージュさせるためにブラックプールまで運んだ。「TVR 2500は左右対称でないことで有名ですが、このクルマの場合は大丈夫だったようです。わたしのクルマはボルトで固定されていた初期型でしたが、後期型は接着剤で固定してあります。そのクルマだったら大変だったでしょうね」

シャシーとボディが組み上がると、プロジェクトはロンドンに移り、細部の仕上げへと移る。「電気関係はわたしも弱く、スペースも充分になかったので、ハーネスは専門家へお願いしました。ボディにはロールバーも付いていたのですが、フィッティングは完璧でしたが溶接など細かい部分で納得できないところがありました。そこで、ここから数時間のガトウィックにあるクラシック&レース社へクルマを持っていくと、エンジンのパワーも増強された状態で戻ってきたんです」

プロジェクトが完了するまでに要した期間はおよそ5年。初ドライブがやってくる。「ロンドンの南にあるボックスヒルという丘陵地帯へ、慣らし走行も兼ねて出発しました。冬でヒーターもなかったのですが、クルマの状態は良好で、そのまま英国の南海岸までドライブ。ビーチー岬まで行って、ケントの町を通ってロンドンに戻りました。ティレッティ社製のカーボンファイバーのシートはとても快適で、1日中運転できると思います」

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