迷走する東京モーターショー クルマ離れが加速?! 本当に主催者がすべきことは
公開 : 2019.08.01 19:10 更新 : 2019.08.01 21:55
来場者を増やすために主催者がやるべきこと
今回初めてTMSの会場となるメガウェブ(青海エリア)には入場料無料の「FUTURE EXPO」が設置される。顔認証システムや無人コンビニ、歩行ロボットなど車とはほぼ関係のない出展をはじめ、完全自動運転車両、燃料電池車両など未来の車の展示も予定されている。
このエリアは入場無料で、チケットなしで観覧できる。来場者77万人(前回実績)を死守しつつ、来場者を増やすために車にあまり興味がない人や、未来を感じてもらいたい若い人たちに足を運んでもらえる出展を目指しているとのことだ。
ところで来場者を増やすための企画として、新規来場者にばかり目を向けているのはなぜだろうか?
かつてモーターショーに足を運んでいた人たちが再び足を運びたくなる企画は考えていないのだろうか。
モーターショーで見たい「夢」は、何も未来の絵空事に限らない。参考出品を重ねた後に市販化され大ヒットとなった車のコンセプトカーや、急速な勢いでモータリゼーションが進んだ1960年代、70年代のモーターショーを彩った車、200万人規模の来場者でにぎわったバブル時代の車など、モーターショーでしか見られない車が一堂に会することもクルマ好きにとっては「夢」のような体験になるだろう。
親子孫の3世代で足を運べば、懐かしい車、昭和時代に家族で乗っていた車を懐かしんで会話も弾むだろう。車好きの思いや世界に誇る日本車の文化を世代間で共有できる素晴らしい経験になるかもしれない。過去があってこその未来だ。
今回の発表ではトヨタや日産など完成車メーカーの展示内容については触れていなかったので、青海展示棟やビッグサイト西・南展示棟などの様子はわからない。
お金を払って入場する従来の展示ブースには、クルマ好きの心に沿った国産自動車メーカーの誇りと良心が残っていることを強く期待したい。