字幕付き動画 BMW M135i 6気筒/FR信者には推薦できず A35よりはベター
公開 : 2019.08.01 20:00
生粋の1シリーズファンなら評価△
このM135iにはxドライブという4WDシステムが搭載される。前軸にはトルセンLSDが、後軸にはハングオン・クラッチが装備されている。したがって普段は前輪駆動、スリップを検知すると250ミリ秒の間に後輪にトルクが配分される。その比率は最大で50:50だ。
したがってこれではFRのBMWらしいハンドリング特性は再現できない。良い点はターンインの鋭さだ。フロントのグリップは高く、マルチリンク式リアサスペンションによりドライバーを軸に旋回する。非常に俊敏でステアリングの重さも適切だ。
BMWらしいとは言い切れないが良いフィーリングだ。A35などよりも魅力的だが、完璧ではない。わたしが気付いたのは鋭角なコーナーの立ち上がりでアクセルを踏み込むとトルクステアを感じることだ。これはそれほど強いわけではなく、トルセン式LSDの動作も感じる。今までのBMWにはない感覚だろう。
しかしそれを除けば、評価が難しいところだ。走りは良好で俊敏さや走りの楽しさは予想以上だが、BMWらしくはないのである。1シリーズに求めるフィーリングではないだろう。
このクルマがターゲットとする市場において、M135iを買うひとがこれを気にするかはわからない。十分に良いクルマだ。嫌味のつもりではなく、シャシーは優秀で非常に良くできている。
しかし重大な事実として、シャシー開発を統括するバーナード・ヴァン・デア・メアはFFの180dが最良の選択だと言った。これは軽さと俊敏さが理由だが、これは驚きだ。
わたしはディーゼルでFFの1シリーズにも試乗したが、それは事実であった。確かに軽さが際立つのだ。これはこのクルマに欠けている。