量産最強のAMG製2.0ℓ4気筒ターボ メルセデス-AMG A45 S 試乗 421psに50.9kg-m
公開 : 2019.08.02 10:10
ターボらしい悪癖のない2.0ℓ4気筒
低速域では少々振動が気になるA45だが、スピードが上がるにつれて落ち着きが出てくる。車重は全長4.4mのクルマにしては重めの1625kg。直線加速の鋭さと、コーナリング時のスタビリティには目をみはる。
コーナーではターンインを助けるためにイン側のリアタイヤへブレーキを掛け、アクセルを踏めばアウト側リアタイヤの駆動力が増大し、機敏なコーナリングを体現する。アクティブ・リアステアといった機能は必要ない。とても効果的に機能しているが、挙動は極めて自然でもある。
サーキットでA45を走らせると、アンダーステア気味ながら、後輪へも駆動力が分配されるおかげで、アクセルオンのタイミングは早く来る。アウディRS3よりもスムーズで、ドライバーの調整しろも大きく取られているようだ。フォード・フォーカスRSには及ばないけれど。
ドライビングモードによるステアリングの重さの変化は大きくはない。軽すぎることもなく、極めて正確でレスポンスも丁度いい。トルク配分がリア寄りとなると、セルフセンタリングしにくくなる傾向があり、進行方向にクルマを向かせるにはステアリングを切り戻す必要があるようだった。わたしは重めのステアリングの設定が好みだったが、ドライビングモードの好みを探している内に、試乗時間は終了してしまった。
エンジンはAMGに期待する通りのユニット。2.0ℓ4気筒ターボが生むパワーは強烈で、圧倒的なストレートスピードを叶えている以上の仕上がりを得ている。ターボ過給されるエンジンにありがちな、ブースト圧が高まるまでトルクが立ち上がらない、というような悪癖は一切ない。