クルマ好きなら1度は味わいたい ポルシェ718ボクスター・スパイダー 試乗
公開 : 2019.08.03 10:10 更新 : 2019.08.03 11:53
2速は128km/hまでをカバーするロングギア
ざっくり比較すると、パフォーマンスとしてはフェラーリF430スパイダーと同等。イタリア製のスーパースポーツでは叶えることができなかった、9.1km/ℓという高燃費も併せ持つ。このフラット6の存在感は、やはりケイマンGT4よりもボクスター・スパイダーの方が強い。
先代のクルマに搭載されていたのは、911カレラSが起源となる3.8ℓユニットだったが、GT4にはない、素晴らしい音色を聞かせてくれたことも事実。この新しい4.0ℓユニットのサウンドは自制されているようだ。エンジンの回転数の高まりに一致したサウンド感には乏しい。だとしても、スムーズでスパイダーとの相性は良いと思う。
3000rpmも回せば、必要充分な活力を伴ってクルマを走らせることができるし、そこからの反応も極めてレスポンシブ。欲しい時に欲しいだけ回せる。ロングギアなおかげで、2速は低速域から128km/hまでをカバーできる一方で、シフトゲートを滑らかにスライドするように3速へも入る。気分に合わせてシフトノブを動かせば良い。3速や4速で、気張らないドライブを楽しんでもいいし、2速で臨戦態勢を味わっても良い。必要ないドライバーもいるかもしれないが、オートブリッピング機能も付いていて、非常に有効だ。
アピアランスは、GT3のハードウエアを流用していることもあり、筋肉質で挑戦的。大きく付き出したフロントスプリッターにダックテール風のリアスポイラーが目を引く。リアバンパー下には、中央にベンチュリートンネルが大きく空いたディフューザーが付く。ポルシェ996 GT2のような空力パーツが小さいボディに凝縮している。ちなみに、全長はフォルクスワーゲン・ゴルフより短い。