クルマ好きなら1度は味わいたい ポルシェ718ボクスター・スパイダー 試乗

公開 : 2019.08.03 10:10  更新 : 2019.08.03 11:53

スパイダーのすべてが魅力で溢れている

かなり派手な空力パーツが付き、フロントバンパーのエアインテークも大きく穿たれているから、クラシックな美しさを持っているわけではない。しかし、リアデッキに生える1対のバットレスが、小粒なスーパーカーの雰囲気を引き立てている。

クルマのサラブレッド的な内容を考えると、価格設定はバーゲン状態だといえる。アピアランスに負けない優れた内面を備え、もし資金的に準備ができるのなら、購入を憂慮するような要素はないといっても良い。ポルシェというキャラクター、ダイナミクス性能、利便性、価格。スパイダーがまとうすべてが、魅力で溢れている。多方面から最も高い支持を集めるポルシェになり得ると思う。

手動式となるルーフを折りたたまない限り、リアのラゲッジスペースは開かないし、開閉もクルマを止めて降りて行う必要がある。この事実が不都合ならば、ボクスターGTSを選ぶのが良い。利便性を優先するか、大排気量エンジンと素晴らしいシャシーとの組み合わを選ぶかは、読者次第。

ポルシェ718ボクスター・スパイダーの生産は2022年まで継続される予定で、需要に対する供給不足も起きないだろう。扱いやすいボディサイズに、アンダーステートメントな佇まい。自然吸気のミドシップ、3ペダルの2シーターという現代では稀有なスポーツカー。必要に迫られる存在ではないかもしれないが、クルマ好きとして、ぜひとも味わっておきたいクルマだといえる。

ポルシェ718ボクスター・スパイダーのスペック

価格:7万3405 ポンド(998万円)
全長×全幅×全高:5140✕1998✕1742mm
最高速度:300km/h
0-100km/h加速:4.4秒
燃費:9.1km/ℓ
CO2排出量:249g/km
乾燥重量:1420kg
パワートレイン:水平対向6気筒3995cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:420ps/7600rpm
最大トルク:42.7kg-m/5000-6800rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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