アウディA3サルーン 1.4TFSIスポーツ

公開 : 2013.06.20 19:00  更新 : 2017.05.29 18:18

■どんなクルマ?

主に中国市場とアメリカ市場での販売を目的とし、アウディA3にサルーンが追加された。サルーンは、A3スポーツバックよりも幅広く長い。また、エステート・モデルよりも多くのブートスペースを持つ。このA3サルーンのボディは完全に新しいデザインで、パネルはA3スポーツバックと一切共用しないのだ。

エンジンは、ここでテストした138bhpの1.4ℓTFSIターボ、178bhpの1.8ℓTFSIターボ、そして148bhpの2.0ℓTDIターボ・ディーゼルの3種類がラウンチ時には用意される。更に、104bhpの1.6ℓTDIターボ・ディーゼルと181bhpの2.0ℓTDIターボ・ディーゼルが後から追加される予定だ。

このエントリー・レベルのガソリン・エンジンには、低負荷時にシリンダーを2気筒休止させ、燃費とエミッションの向上を目的としたシリンダー・オン・デマンド・テクノロジーが採用されている。

■どんな感じ?

1.4ℓエンジンで活発に走るには、回転を引っ張り高回転をキープしなくてはならない。というのも、1.8ℓのTFSIや2.0ℓのTDIのようなパワーがないからだ。しかし、このA3に搭載される中でも最も小さなエンジンは、大部分においては充分な仕事をこなす。

そのエンジン・サウンドは小さいかほとんどドライバーの耳に入ってこないレベルで、非常に快適だ。A3サルーン1.4TFSIは静かなクルーザーである。

非力なパワーゆえに、追い越し加速に少々時間がかかるが、これはパフォーマンスと経済性のバランスを求めた結果なのでしょうがない。アウディはこの1.4TFSIの燃費を21.3km/ℓとアナウンスしているが、テストした結果、それはほぼ正しい数値であるようだ。

我々は幸いなことに6速マニュアル・モデルにも乗ることができた。この6速マニュアルはラウンチ時には提供されず、少し遅れての登場となる予定だ。このマニュアル・シフトは、軽い抵抗を持ち、はっきりとした、そして素早いシフトが可能。高速道路での追い越し加速などでは素早くシフトダウンできる有用なもの。また、7速のデュアル・クラッチは、既に評判の高いもので、クイックで控えめなギアシフトを提供してくれる。

電気機械式のステアリングは適度な重さを持つ。しかし、残念なことにフィーリングが伝わってこない。多くの顧客がこの点だけをとって、A3サルーンを買い控えることはないだろうが、このステアリング・フィールには若干の失望を覚えたのも確かだ。

ベンチレーテッド・ディスクは、効きも良く、最小の踏力しか必要としない。しかもコントローラブルである。しかも、このブレーキは、アウディの様々なパッシブ・セーフティ・テクノロジーと統合されている。

■「買い」か?

正直なことを言えば、2.0ℓTDIのほうがおすすめだ。しかし、あなたがディーゼル・モデルのメリットが生まれるような距離を走らないのであれば、1.4TFSIも充分値打ちのある選択といえる。100km/hで走っていても40km/hで走っていても気持ちの良いエンジンだ。

£1,480(22万円)のオプションとなる7速デュアル・クラッチを選択すると、価格は£24,305(364万円)となる。それでも、A3サルーン1.4TFSIは、メルセデス・ベンツCLA180のマニュアル・モデルやボルボS60 T3R-デザインよりも安価なのだ。

(ダレン・モス)

アウディA3サルーン 1.4TFSIスポーツ

価格 £24,305(364万円)
最高速度 217km/h
0-100km/h加速 8.4秒
燃費 21.3km/ℓ
CO2排出量 109g/km
乾燥重量 1325kg
エンジン 直列4気筒1395ccターボ
最高出力 138bhp/5000rpm
最大トルク 25.4kg-m/1500-3500rpm
ギアボックス 7速デュアル・クラッチ

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