ラディカル・ラプチャー(邦貨1200万円)に同乗 車重765kg、出力355ps

公開 : 2019.08.07 11:40

まるでロケットの付いたソリ

旗が降ろされたとき、息を整えることができたのはほんの一瞬だった。後輪が路面に食い込むとすぐに頭蓋骨が後方に引っ張られ、眼球が飛び出した。このクルマは狂ったように速い。0-60mphのタイムが3秒と知っていても、それはただの数字に過ぎないということが、実際に身をもってわかった。このクルマが普通自動車免許を持っていれば誰でも運転でき、毎日の買い物でスーパーマーケットへも乗って行けることを思い出すと、頭がクラクラする。

突然、目の前に最初のコーナーが現れた。よかった、とわたしは思った。これでスピードを落とさなければならない。

しかし、そうはならなかった。ラプチャーには巨大なグルーブド・ディスクと4ポット・キャリパーがフロントに装備されている。塀に突っ込む前に止まることができるはずだ。だが、クロックは干し草を積み上げたガードレールに、できる限り近くまで寄ろうとしているようだった。クリッピングポイントを超え、加速しながらブリッジの下を抜ける。地面に近い位置に座っているため、まるでロケットエンジンの付いたソリに乗っているような気分だった。

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