マツダMX-5(ロードスター)30thアニバーサリー 試乗 素の良さを引き出す方法
公開 : 2019.08.08 10:10
30周年を祝うには少し物足りない特別仕様
一方で、メカニカルな部分では通常の2.0ℓスポーツ・グレードと大差はない。マツダオリジナルのスポーツサスペンション・スプリングにビルシュタイン製のダンパーが組み合わされ、エンジンルーム内にはストラットタワーバーが追加されている。トランスミッションは6速マニュアルで、ヘリカル・リミテッドスリップデフを装備するのは2.0ℓモデルと同じ。
低ブースト圧のターボが装備されていたりはしない。車高もそのままだし、ファイナルドライブレシオが変更されていたり、タイヤがハイグリップな銘柄に変わっているわけでもない。これだけ見ると、増加分の価格に疑問を持ってしまう読者もいるだろう。
実際、装備が充実したオレンジ色の2.0ℓのマツダMX-5ではある。例によって素晴らしいクルマだ。一方で30周年という記念すべき特別仕様車に、記念碑として特徴づけるのに充分な特徴を持たせなかったことは残念でもある。
マツダMX-5は、常にスポーツカーとしての優れた可能性を備えてきた。結果、オーナーはパワートレインやサスペンションなどのモディファイを楽しんできたし、英国の場合、エンジンを載せ替えるようなエンスージャストさえいる。クルマに隠された実力を引き出し、一般道へと開放するために。
そんな中で特別仕様車は、MX-5に興味を持っていないようなひとへも、注目を集めるキッカケにもなり得る。新しいボディ色を設定しただけでは、納得できないのはわたしだけではないだろう。誕生日プレゼントのように30thアニバーサリー・モデルを特別なクルマに仕上げる方法は、実は他にもある。しかも、マツダのショールーム内で解決できることだったりする。