AUTOCARロードテスト懺悔録 最大の判断ミス、理由は様々 いまや評価は正反対?
公開 : 2019.08.10 16:50
ポルシェ・カイエン
カイエンには懐疑的だった。だが、ポルシェがこのクルマを創り出した理由を理解することが出来なかったことが、わたしには新商品開発やマーケティングのセンスがないことを物語っている。
ターゲットが曖昧で決して魅力的には見えなかったが、その後ユーズドのカイエンを購入している。
デビュー後かなりの年数(確か17年のはずだ)が経過したいまでは、このクルマのルックスを見事だと認めざるを得ない。
車高をあげた996世代の911というのは決して悪いアイデアではなく、そのV8エンジンは素晴らしいサウンドを響かせるとともに、路上では驚くべき鋭さを発揮し、広大なトランクスペースまで備えている。
実用性の高いポルシェであり、称賛すべき存在だ。
ジェームス・ルパート
BMW Z8
明らかに誤った評価をしていたのがBMW Z8だ。
20年前このクルマがデビューしたとき、406psを発揮する5.0L V8に注目するとともに、このエンジンがM5からもたらされたという事実をもとに、本物のスポーツカーに違いないと結論付けたのだ。
だからこそ、実際にそのステアリングを握り、このクルマが非常にソフトで安楽なグランドツアラーであることが分かった時、舌鋒鋭くZ8の犯したミスを指摘している。
だが、唯一のミスはわたしがこのクルマを正しく評価出来ていないことだけだった。
数年前、ふたたびこのクルマのステアリングを握ってみると、そのゆったりとしたペースとクールなインテリア、そしてその豊かなパフォーマンスに魅了されることとなった。
いまや20万ポンド(2573万円)に近づくその価格も当然だろう。
アンドリュー・フランケル
ポルシェ・カイエン
カイエンを初めて見た時、まったくその良さが理解できず、単に好きになれないというよりも、このクルマと、世界でもっとも名の知られたスポーツカーブランドにこのクルマが与える影響を心底嫌悪していた。
初代がデビュー当時よりも素晴らしく見えるようになったとは思わないが、それでも、現行モデルのルックスと動力性能、さらにはその実用性を高く評価している。
いまも、これがポルシェの名に相応しいモデルかどうか自信がないが、もしスポーティーなSUVを購入するのであれば、選ぶのは間違いなくカイエンだ。
マイク・ダフ
アウディA2&スマート・ロードスター・ブラバス
この場合、「過ち」というのは言い過ぎかも知れない。
アウディA2とスマート・ロードスター・ブラバスには率直な評価を与えただけであり、それもこの2台には見過ごすことのできない問題があったからだ。
A2は非常に視界が限定されており、スマートはギアボックスの出来がお粗末なだけでなく、その乗り心地にはまったく快適性が欠けていた。
だが、いまこの2台を喜んで我が家のガレージに迎え入れたいと考えており、それは、この2台が追い求めた理想がいまも生き続けており、その欠点をも上回る魅力となっているからだ。
つまり、これはわたしの罪の告白である。それでも、これだけは言わせて頂きたい。
星1つの評価を下したなかで、最高の1台はBMW C1スクーターだ。
マット・プライアー