2年に1度のビンテージカーの祭典 フランス「ビンテージ・モンレリ」レポート 後編
公開 : 2019.08.10 16:50 更新 : 2021.02.02 12:32
2年に1度、第2次大戦以前に製造された様々クルマが、フランスのリナ・モンレリへ集います。ミュージアム級のビンテージカーが名門オーバル・バンクコースを駆け抜ける、世界のエンスージャストにとっての一大イベントを取材しました。
もくじ
ー「アミルカーGタイプ」オーナー:ウォルター・ヒール
ー「アルファ・ロメオ6C」オーナー:ミロ・ガイガー
ー「DKW SS 250」オーナー:フィリップ・ビューリー
ー「ジャピック・サイクルカー」オーナー:エイドリアン・ワード
ー「ハノマーグ」オーナー:トーマス・シュミット
ー「マセラティ・ティーポ26」オーナー:ジュリアン・マジュブ
第2次大戦以前に製造された巨大なプロペラで進むレイヤから、歴史的なグランプリマシンまで、様々なクラシックカーが一同に集う「ビンテージ・モンレリ」。締め切りの1カ月以上前には定員超えとなり、出走の申込みが終了する人気イベントだ。前編では概要をお伝えしたが、後編では参加車両をオーナーのコメントとともに見ていこう。
「アミルカーGタイプ」オーナー:ウォルター・ヒール
多くの英国からの参加者同様に、レストア職人のウォルター・ヒールも元気なアミルカーGタイプでフランスまで自走してきた。「長めの休暇をとって、友人のオリバーなどと隊列を組んで来ました。ベントレーのオーナーズクラブのサポートも受けています」 と話すヒール。
「2台のブガッティやアルファ・モンツアなども一緒です。農家を借りて、23名が集って金曜日には夕食を取りました。きっとフランス人にとっては変な料理だったでしょうね。オリバーがすべてを取り仕切ってくれていて、ここまでのルートも素晴らしいものでした。途中にはフランスの美しい街、リヨン・ラ・フォレも通過してきました」
「サーキット走行も素晴らしい体験です。途中にはシケインが追加されていて、タイヤの細いアミルカーは簡単にスライドします。特に濡れていると大変です。オースチン・セブンでの走行も楽しみましたが、今回のハイライトは1925年のジャピックを押して、スタートするシーンを見たことですね。素晴らしい週末になりました」
「アルファ・ロメオ6C」オーナー:ミロ・ガイガー
ドイツで自動車のボディなどの修復や特装を行っているコーチビルダーのミロ・ガイガーが「ビンテージ・モンレリ」に参加したのは4年前。その時は友人のフィアットで来場したそうだが、自分のクルマで出場したいと思ったそうだ。
仕事の合間に、スイスで発見したアルファ・スペシャルがベースの6C-1900のシャシーとボディの修復を進めてきた。「わたしも長年のアルファ・ロメオ・ファンだったので、自分も特別な1台が欲しいと思ってきました。元になったクルマにはエンジンがなかったので、6C 2.3ペスカーラのユニットを、ウェーバーのトリプル・キャブレター仕様にして搭載しています」
「メインボディの由来も明らかではないのですが、恐らくAC社のものではないかと思います。フランス自動車メーカー、ドライエ135スポーツ風のウイングを付けているので、完全な復刻というものではあありません」
「このモンレリは大好きなイベント。見たこともないような古いクルマやバイクが集まります。ドイツからここまで1400kmも距離がありますが、はるばる来る価値はあります。今朝出発した時、ボーデン湖では雪が降っていました。自分のクルマで歴史的なサーキットを走るのも楽しいですが、アルファ・モンツアでリナ・モンレリを周回するのは格別です。3週間後にはニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにも行く予定です」