2年に1度のビンテージカーの祭典 フランス「ビンテージ・モンレリ」レポート 後編
公開 : 2019.08.10 16:50 更新 : 2021.02.02 12:32
「ハノマーグ」オーナー:トーマス・シュミット
ドイツのエンスージャストも、フランスで開かれる「ビンテージ・モンレリ」は愛すべきイベントだと考えている。そのひとり、トーマス・シュミットは今年になって2台のビンテージモデルを手に入れた。エキゾチックなアミルカーC6と、エンジ色のホイールが目を引く年代物のハノマーグ。デモンストレーション走行のドライブは、友人のデイビッド・シモンとサーシャ・エドルが担当した。
「別のクルマもレストア中で、今はボディワークを進めているところです。このクルマはもう1台のレース仕様です。エンジンには大きなキャブレターが組み合わされていて、ハイコンプレッションの設定になっています。標準の最高出力は10psですが、このクルマは12psくらいは出ています。ハノマーグにしては、かなりのパワーなんですよ。ステアリングフィールはとてもダイレクトで、500ccの単気筒はとてもトルクフルで扱いやすいんです」
「素晴らしいクラシック車両と一緒に、当時のままのリナ・モンレリ・サーキットのバンクコーナーを走行した体験は、とても特別なものでした。このハノマーグはさまざまなイベントに参加させています。昨年はニュルブルクリンク・サーキットを走りました。1927年にファクトリーチームが戦ったのと同じコースです。それに、地元のビアガーデンもとても楽しい場所でした」
「マセラティ・ティーポ26」オーナー:ジュリアン・マジュブ
テーマに沿ってアルファ・ロメオが集まる中で、素晴らしいマセラティ・ティーポ26の存在感も小さくはなかった。オーナーのジュリアン・マジュブは歴史的なレーサーであると同時に、ブロッキー・タイヤの創設者でもある。
「グッドウッドでレースに参戦したことはありますが、今回は初めてガソリンを用いて走らせました。調子はいいようです。ハンドリングは素晴らしく、路面に張り付くようにグリップします。マセラティのシフトフィーリングは良いとはいえませんが、ステアリングは軽快。このクルマでレースに初めて参加した時は、アップルトン・スペシャル仕様でしたが、3Lの8CMエンジンを入手した時、オリジナルのヘンケン・ワイデングレン・マセラティへ改める時だと感じたんです」
「ビンテージ・モンレリに参加するのは2回目。初めての時はブガッティT35で、メタノールを燃料にしていました。ほとんど垂直に傾くバンクコーナーを駆け抜ける経験は、なにか修行のような、崇高な経験にも思いました」
「本当はアルファ・ティーポ308を持ってきたかったのですが、シケインが追加されたので諦めました。そこで代わりに選んだのが、このマセラティでです。2シーターで友人と走行するのは楽しいですね。このイベントはビンテージカーのエンスージャストなら、一度は参加する価値があるイベントだと思います」