フェラーリ最高技術責任者に訊く なぜハイブリッド? 次のハイパーカーは?
公開 : 2019.08.13 00:05 更新 : 2019.08.13 00:06
V12は最新の排ガス規制にも適応
ーーV12エンジンの開発は継続しますか?
「できるだけ長く続けようとしています。市場にはまだV12の需要があると確信していますし、技術的に排ガス規制に適応させることも可能です。われわれは次のユーロ6c規制に適合するための開発を行っています。それにはガソリン微粒子フィルターを加えることになるでしょう」
SF90ストラダーレと2022年に登場するSUVを含めると、フェラーリのラインアップは6車種になります。将来的にも6車種に限定していくのでしょうか。
「いいえ。フェラーリは成長しなければなりません。ラインアップの再配置や、あるいは新たなモデルを追加することで成長していきます。販売台数を増やすことに興味はありません。大事なのは収益を伸ばすことです」
ーー完全な電気自動車のフェラーリが登場する可能性もありますか?
「現時点では、電気自動車の技術は十分に成熟していません。顧客の要望に耳を傾けると、最も重要なのはサウンドです。また、現在のところ航続距離の問題もあります。スポーツカーではこれが実に大きな問題となります。電気自動車の後続距離は、急加速や高速走行を繰り返すと非常に短くなるからです。存分に速く走らせることができず、最高速度も200km/hで制限されてしまってはスポーツカーの意味がありません。それらの技術的制約を取り除こうとすれば、バッテリーをたくさん搭載する必要がある、つまりクルマが非常に重くなります。それはもはやスポーツカーではありません」
「しかし、おそらく数年以内には可能性が広がるでしょう。電気自動車が普及するには、大きな段階を超える必要があります」
新しいハイパーカーには新しい技術を
ーーフェラーリは約10年ごとに新しいハイパーカーを発表しています。ラ フェラーリが登場してから7年が経ちました。後継モデルの開発は進んでいるのでしょうか?
「フェラーリが約10年ごとに新しいハイパーカーを発表してきたことは事実です。また、フェラーリはその度に新しいテクノロジーを投入してきたことも事実です。つまり、新しいハイパーカーに投入したいと思えるテクノロジーは何なのかということを考えなければなりません」
ーーモンツァのようなスペシャル・モデルは今後も製作されますか?
「わたしたちが提供するモデルは、4本の大きな柱に分類できます。GT、スポーツカー、イーコナ(アイコン)、そしてスペシャル・シリーズです。イーコナ(モデナはここに位置する)は今後もラインアップが続きます。モンツァだけではありません。モンツァは大きな成功を収めました。この種のモデルでは技術的な制約が少なくなります。モンツァはモーターサイクルのような運転が楽しめるクルマです」