ジャガー・ランドローバー 2年以内に5車種の新型車 生き残り賭け
公開 : 2019.08.13 06:00
次期型ジャガーXJは超高級EVに
AUTOCARが2015年に初めて報じたとおり、現行型XJの後継モデルは完全な電気自動車となる。これにより、2009年からバーミンガム近郊のキャッスル・ブロムウィチ工場で10年間にわたって続けられてきたX351型XJの生産は間もなく終了する。
12カ月以内に発表される新モデルは、現行のXJより高価なメルセデス・ベンツSクラスに対抗する(旧態化したテスラ・モデルSとはかなりの差が開く)あからさまな超高級車になる見込みだ。ただし、ライバルよりもドライバー中心のモデルになる。
JLRはこの新型XJが、東アジアの大都会に適した排ガスを出さない高級車として、ライバルのプレミアムEVを出し抜くことを期待している。遅れてガソリン・エンジンに電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッド版のXJも追加されるようだ。
キャッスル・ブロムウィチ工場は改修を受け、ジャガーJペースの生産に向けられる。2021年初頭までに発表されるJペースは、Fペースより大型で高級な市場を狙った新型SUV。後に完全電気自動車版も設定される見込みだ。
「ロードローバー」の車名は未確定
レンジローバー・ファミリーに加わる5番目のモデルは、2021年後半に発表される。AUTOCARでは2017年に初めて報じたこの新型車も、MLAプラットフォームをベースとする。JLRの公式文書では「ミディアムSUV」と表記されており、イヴォークとヴェラールの間に位置するモデルになると思われる。
従来のレンジローバーよりオンロードを重視し、より小さな前面投影面積を持つことから、レンジローバー・ファミリーで最も燃費の良いモデルになることが予想される。また、これがレンジローバーとして最初の完全電動モデルになる見込みだ。JLRが歴史的なロードローバーという名称を商標登録したことから、このモデルにロードローバーの車名が与えられるのではないかと言われているが、最終的な市販モデルが何という車名になるかは、まだ明らかになっていない。
当初、JLRが稼働率の低いキャッスル・ブロムウィチ工場に多額の投資をしてMLAプラットフォームの生産工場に転換するというニュースは、自動車業界にとってちょっとした驚きをもたらした。しかし、今ではJLRが英国政府から5億ポンドもの融資保証を受けることが明らかになっている。
この投資は、キャッスル・ブロムウィチ工場の転換のみならず、バーミンガム東のハムス・ホールに建設される新しいバッテリー工場や、さらに英国内で電気モーターを製造するためにも使われる。