字幕付き動画 ベントレー・コンチネンタルGT vs アストン マーティンDB11 AMR 比較試乗
公開 : 2019.08.15 20:00
ベントレーを上回る走り
「足回りは確かに硬いけど硬すぎるというほどではないね。だから乗り心地は非常に良い。とても快適だ」
「これはDB11 AMRだけど、同じV12搭載のDB11はもう少しだけ柔らかいね。そして後からV8搭載モデルを追加した」
「DB11の良いところは、この類のクルマにしては俊敏なことだ。でも時々、奇妙な動きをする」
「コークスクリューみたいな動きだね。パワーを与えるともたれかかるようだった」
「でもV8モデルにはそれがなかった。そこでV12の立場を確保するために出したのが、AMRというわけだ。だから少し硬めになってるんだけど、それによって快適性は損なわれていないようだ」
「コントロール性は高くなって、操舵性も素晴らしいね。昔のヴァンキッシュやヴァンテージの素晴らしいステアリングを思い出すと、これはそれにはかなわないけど。最近のアストンの中では一番それに近いと思う」
「このクルマがベントレーに勝るところは、スポーティさだね。より二重人格的なクルマだし、洗練性はベントレーに大きく劣るところはない。だけどそれに加えて楽しさが付加されている」
「これはFRであることに加えて、500kg近く軽いことも影響していると思う。パワーは同等で639psだ」
「0-97km/h加速ではベントレーの方が速いけど、四輪駆動だからね。それでもわずか0.1秒の違いだ。おそらく現実世界に近いローリングスタートなら、こちらが勝つだろう」
「スペックは非常に似通っている。最高速度は335km/hと333km/hだし、0-97km/h加速はベントレーが3.7秒でこちらが3.8秒だ。公称値ではね」
「馬力は639psと635psでほとんど変わらない。
「だけど車重は大きく違う。これは重要な違いだね。でもこのV12ツインターボはもう少し軽くできたんじゃないかな」
「これは5.2Lだよね」
「ただ気に入ったのはDCTじゃなくいにしえのATでありながら、サウンドは非常に良いことだ」
「本当に良い音だね」
「以前の自然吸気エンジンと大差ない。ベントレーよりも良い音だね」
「僕もそう思う」
「コーナー間のつなぎも良いね。DCTは必要ないと思う。ベントレーはポルシェ譲りのものがあるけど、必ずしも高級車に合うわけではない」
「しかもDCTよりも軽いよね」
「シフトアップは十分に速い。どれだけ速くしたいんだろう。シフトダウンはそれほど速くないが、減速中だからそれほど問題はない。シフトダウンの時間はそれほど気にならないだろう。最近のATはすぐロックアップするからDCTと大差なくクルマに合っているね」
GTに何を求めるか次第
「エルゴノミクス的には文句ないけれど、一部は少し気になる。これは若干扱いにくい。最新のメルセデス製インフォテインメントではなく数世代前のものだ」
「だけどパドルがコラムに取りつけられているのは良い。いつでも操作しやすい。それと長めに引くとドライブに戻るのが好きだ。もう一度引けばマニュアルになる。なぜ他社はこうしないのだろう。わからないけど賢い選択だ」
「天井のラインはどう思う?これはオプションだけど」
「自分で注文するならつけないかな。だけどレースチームに由来するのは良いね」
「それはそう思う」
「トリム全体についてはベントレーの水準には達していないけど、十分良くできている」
「ひとつ付け加えるなら、S007っていうタイヤの銘柄は最高だ。アストンに007」
「それはクールだね」
「自分で買うならどっちにする?」
「ベントレーは気に入った。あらゆる場面で優秀だ。だけど運動性能はこちらが上」
「そうだね」
「それでいて快適性はベントレーに劣らない。だからよりスポーティなこっちが気に入った」
「限界まで飛ばしたり、パワースライドをするわけじゃないけど、こちらの方がはるかに軽いし重さが邪魔になることが少ないと思う。より二重人格的なクルマだね。だからアストンを選ぶ」
「同意見だね」
「航続距離はやや短くて560kmくらいだけど、それは仕方ない。ベントレーは特にラグジュアリーさが気に入った。だけどドライバーとして気になる部分はほぼすべてこちらの勝ちだ。長い航続距離を求めるならディーゼル車を買えば良い」
「そうだね。このクルマはわたしのニーズに合う。十分ラグジュアリーだし、このクルマなら山越えもできそうだ」
「じゃあこうしよう。もしGTに乗ってポルトガルの別荘に行くとしたら港、に降り立ってからのドライブはどちらに乗っても楽しめるだろう。でもこちらはサーキットでも本当に楽しめそうだ。スポーツカーとしてね」
「南仏の山道なんかも良い。ベントレーにはできない走りができる」
「その通りだね」
「それでいて快適性は十分。結論はGTに何を求めるか次第、ということだ」