アルファ・ロメオ4Cのディテールを公表

公開 : 2013.06.25 20:00  更新 : 2017.06.01 02:16

£50,000(750万円)台の価格でリリースされるアルファ・ロメオ4Cの軽量で機敏な動力性能は、よりパワフルで、しかしより重く、より高価なスーパーカーを打ち砕くものになるだろう。

「4Cは、ワインディング・ロードのようなタイトでツイスティなシチューエーションでは、例えばブガッティ・ヴェイロンよりも機敏に走ることができるだろう。」とヨーロッパのセールス責任者であるルイス・カール・ヴィグノンは語った。

先週、アルファ・ロメオは、カーボンファイバー製タブ、サブフレーム、ドライブライン、複合パネル、軽量ガラスをはじめとする技術的なハイライトに関するディテールを公表した。

それによれば、全体のマテリアル・ボリュームの1/4を占めるカーボンファイバー製のタブの重量は、全体の1/10になるという。アルミニウム製のサブフレーム、サスペンション、エンジン・ブロック、トランスミッション・ケーシングは全体の38%、スティール製のエンジン、ギア、サスペンション、ロールオーバー・プロテクションは全体の23%の重量だ。

重量自体は65kgのカーボンファイバー・タブを含めて895kgだが、これに燃料および油脂類をフルロードし、75kgのドライバーと荷物を搭載した法的な重量は1100kgとなるという。アルファ・ロメオは4kg/bhpを目標に4Cを製作した。実際、ドライウエイトでは2.85kg/bhpを達成し、0-100km/hが5.0秒というパフォーマンスを得た。トップ・スピードは250km/hだ。

スティール・ボディのポルシェケイマンボクスターとの直接的な比較をアルファ・ロメオは敢えて好まないが、「類似したクルマよりも速い」とヴィグノンは語った。

「パフォーマンスは充分だ。そして、これは、純血種のアルファ・ロメオなのだ。」とも言う。

エンジニアリング・スペックには軽量素材の長いリストが並ぶ。シート・モールディング・コンパウンド(SMC)コンポジットは、特別に軽量はフォームが使われているし、ガラスも重さを抑えるために薄い素材が使われている。ステアリングは油圧アシスト・システムの重さを抑えるためにノン・アシストであるし、エレクトリック・システムも非常にシンプルになっている。

アルファ・ロメオを8月下旬に英国に第1号車が到着することを確認している。ラウンチ・エディションも9月にデリバリーされる予定だという。

エンジン
アルファ・ロメオは、4気筒エンジンとデュアル・クラッチ・トランスミッションの組み合わせが採用された。しかし、噂ではV6エンジンが将来的に搭載されるのではという話もある。ヴィグノンは、これについては確かに6気筒の方がパワフルではあるが4気筒の方が軽いというメリットがあるとしている。また、このエンジンは多くのヨーロッパ市場で税額に有利なエミッションを持つ。パワーは237bhp。1.7ℓターボで、スティールではなくアロイ・ブロックにされたため、65kgの軽量化がなされている。そのベースはジュリエッタ1750TBエンジンだ。プロジェクト・エンジニアのドメニコ・バグナスコは、デュアル・クラッチのギアボックスは、専用チューニングが施され、よりシャープなレスポンスが与えられているという。

サスペンション
サスペンションは、スティール製のウィッシュボーンがフロントに、アロイ・ストラットがリアというレイアウト。フロント・サスペンションは、フロントのサブフレームではなく、カーボンファイバー・タブから懸架される。サスペンション・セットアップを正確にするため、その取付はミクロン単位にまでこだわっている。フロントのサブ・ブレームはラジエータを支持するだけでなく、クラッシュ・ストラクチャーとして従来の2倍の強度を持ち、タブをクラッシュから保護することとなる。そのリア・ストラットの形式は、常識的なものではなく、ダンパー・ユニットとスプリング・マウントはかなり低い位置となるという。このストラットは、ポルシェ・ボクスターやランチア・デルタ・インテグラーレでも採用されているものだ。

カーボンファイバー・タブ
4Cは1日に付き16台、年間3500台が生産されるが、それを支えるのが今まで最も高い生産量となるカーボンファイバー・タブの生産技術だ。ナポリに近いイタリアのカーボンファイバー・スペシャリストであるアドラー・プラスティックから供給されることになる。アイドラーは、航空宇宙用のパーツと、マセラティのためのカーボン・トリムを製造している会社だ。タブはプリプレグ・カーボンファイバーを使い、ワンピースに仕上げられる。その工程には90人時が必要で、鏡面仕上げが施される。モデナにあるボディ・プロダクション・ラインは、このタブに様々なパーツを取り付ける。合計864のパーツとなる。チェック項目は350にも上る。

ファイナル・アッセンブリー
4Cの最終組立ラインは、以前マセラティ・クアトロポルテのために使われたスペースを占有して行われる。クアトロポルテのラインは、トリノへ移動になったからだ。9つの”ステーション”には、それぞれ2〜3人が割り当てられ、約14分で1工程を終了する。その14分サイクルは、モデナでマセラティを組み立てられるのに使われた時間単位である。全体としてそのフィニッシュには20〜25時間、期間としては3週間が必要となる。

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