字幕付き レンジローバー・オートバイオグラフィー vs スズキ・ジムニー オフロード比較試乗
公開 : 2019.08.17 20:00 更新 : 2019.08.17 20:11
高性能なシステム満載のレンジローバー
デフロックこそついていないようだが、4WDのローレシオモードを備えている。これによりギア比が非常に低くなり、ヒルディセント・コントロールは必要ない。これは1速で坂を下ることができる。
今は非常に急な斜面を登り切るところだ。何も見えない、空だけだ。
ブレークオーバーアングルはジムニーに劣る。レンジローバーの底面の壊れやすそうな高価な部品がいくつも見えた。
極端に急な斜面であった。マットが視界から消えたが、また坂の頂点にスズキとともに現れた。
田舎に行けばこのクルマをよく目にする。走破性は高く急斜面も登れ、先ほどのような急な突起も乗り越えられる。小さいのに良くできているクールなクルマだ。今のところレンジローバーについていけている。これは自信が持てる。
「マットここまではついて来れたようだね。ズンバ教室は何時からだい? 急いだ方が良いか?」
「そうだな。いったん家に帰ってヨガパンツに着替えないと。2時くらいに終われたらうれしいかな」
彼は何もわかっていないようだ。
これはわたし流のオフロード走行だ。高級かつ快適で、苦労知らずだ。わたしは何もしなくてもクルマが勝手に走破してくれ、このレンジローバーはまさに一級品のオフローダーだ。必要なハードウエアは揃っていて車高も調整可能である。
4x4iとよばれるシステムのオフロードインフォメーションによりあらゆる情報が手に入る。各輪のアーティキュレーションやステアリングの切れ角、デフロックの状態、それに斜面についても前後および横方向の傾斜角がわかる。非常に優秀なシステムだ。スズキにはどれも装備されていないだろう。
「大したことないコースだな。もっと過酷なのを期待していたよ」
「ご心配なく。まだ一周目だよ。次はもう少し厳しいコースにしよう」
ケイマン1台分以上の重量差
この斜面では少し滑った。これはレンジローバーにも簡単ではない。マットはここを乗り切れるのだろうか。まあ無理だろう。
ダンはぬかるんだ斜面を登って行った。わたしも同じことをしてみよう。まずその前に下りだ。彼はヒルディセント・コントロールがあるが、わたしは自分の足でコントロールする。まず第一に旋回は簡単、第二にぬかるんだ路面も簡単、そして第三に急斜面も楽勝だ。
このクルマはわずか1040kgと、非常に軽い。ダンが泥の中でもがく間、4000ポンド(51万円)のホイールはトラクションを求めて激しく空転している。
「マット、あの坂を登れるなんておどろいたよ。レンジローバーはかなり滑ったからねもっと滑りやすいところを探すよ」
「望むところだ」
忌々しいことに、彼は嬉しそうである。
「きっと君のクルマは2.5トンか2.6トンあるだろう?」
ダンは横滑りする2.6トンのクルマと格闘している。おや、バックしてくるようだ。ギブアップだろうか。
「諦めたのかい?」
まさかそんなことはないだろう。
「このクルマは2.6トンだよ。君のより少しだけ重いだろう?」
「そんな大差じゃないけどね。ポルシェ・ケイマン1台分くらいかな。いやもっとか。1600kgくらいの差だよ」
「それはすごい違いだ。2倍以上だね。驚いたと言わざるを得ないよ。どうやってぬかるみを通過したんだ?」