フェラーリSUV、V6またはV12ハイブリッドの4WD? 新エンジニアリング挑戦
公開 : 2019.08.21 11:50
2種類のフレキシブルなアーキテクチャ
このSUVのデザインは既に承認されており、様々なサイズに適応可能なフロント・ミドエンジンのアーキテクチャを使うことがわかっている。これはフェラーリの将来の全モデルを支えることになる2種類の非常にフレキシブルなアーキテクチャの1つだ。
もう1つは伝統的なミドエンジン・レイアウト用で、どちらのアーキテクチャもV6、V8、V12エンジンのすべてに適応できるだけでなく、ハイブリッドを組み合わせることも織り込まれている。デュアルクラッチ式ギアボックスをトランスアクスルに搭載し、純粋な後輪駆動と四輪駆動のどちらも可能。ホイールベースを調整することで、キャビンは2シーター、2+2シーター、4シーターのいずれにも対応できる。
ボディはクーペ、スパイダー、そしてプロサングエのようなスタイル(プロサングエにもフェラーリの伝統的な大型V12フロントエンジンGTの特徴が受け継がれるという)を作ることができ、最低地上高を引き上げたモデルにも対応できる。
ハイブリッド技術はSF90から
このように設定可能な様々な仕様の中から、プロサングエは全長5m程度の4シーターで、最低地上高の高いモデルになる。おそらく電子制御式の車高調整機構とアンチロールバーを備え、オンロードの素晴らしいダイナミクスと、ある程度のオフロード走破性を兼ね備えたクルマになるはずだ。
厳しさを増す排ガス規制の圧力から、プラグイン・ハイブリッド・テクノロジーも採用される見込みだ。このパワートレインはSF90ストラダーレから受け継がれる。
SF90ストラダーレは、フェラーリのレギュラー生産モデルで初めてハイブリッドを採用したクルマで、4.0L V8エンジンに3基の電気モーターが組み合わされている。1基のモーターはエンジンとギアボックスの間に組み込まれ、あとの2基はそれぞれ左右の前輪を駆動するためにフロントに設置されている。
このハイブリッドの四輪駆動システムをベースにしたものが、プロサングエにも使われる見込みだが、エンジンは現在開発中のV6ターボになる可能性が高い。ただし、最上級モデルとしてV12バージョンも検討されているかもしれない。フェラーリは当分、V12エンジンの開発に取り組むとしているからだ。
新しいインテリア・レイアウトを採用
「SF90は多くの新技術を投入した新型車です。その開発において、われわれは他のモデルにも転用可能な要素を見つけ出しました」と、ライターズは語る。
「SUVの開発で課題となることは、SF90とはまったく異なります。新たな新技術の発明が必要になるでしょう。しかし、われわれの組織は新技術を発明する方法を学びました」とライターズは付け加え、プロサングエには独自の新技術が採用される可能性に言及した。
プロサングエという名前は、フェラーリが今後4年の間に発表を計画している新しいGTファミリーに使われるとも言われていた。それは従来よりも実用性と快適性を高めたモデルになる。GTC4ルッソの後継車もその中に含まれる見込みだ。その将来はSUVの発表による影響を受けないという。
フェラーリのGTモデルはSUVも含め、まったく新しいインテリア・レイアウトが採用される。これは「目はロードに、手はストリートに」と呼ばれるアプローチをベースにしたもので、新しいデザインのステアリングホイールや、新開発のインフォテインメント、ヘッドアップディスプレイ、メーター・パネル、キャビンの新しい操作方法、後部座席用エンターテインメントを装備し、乗降性も改善される。