フェラーリSUV、V6またはV12ハイブリッドの4WD? 新エンジニアリング挑戦
公開 : 2019.08.21 11:50
難しい挑戦であり、楽しみでもある
ライターズはまた、フェラーリが初めてのSUV開発で直面した挑戦についても語った。「車内はどれだけの広さがあれば適切だと、自信を持って判断するにはどうすればいいのか? 快適でくつろげる乗り心地とは? フェラーリならではのスポーティなレイアウトを、SUVの顧客が求める快適性重視のデザインと結びつけるにはどうすればよいのか?」
「HMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)はどうするか? これまでフェラーリのHMIはドライバー主体に考えられていました。しかし、それをもっと民主的にするにはどうすればよいか? 快適機能はどのようなものを装備すればよいのか? 快適性に結びつくフェラーリの純粋なDNAとは何か?」
「それは難しい挑戦であると同時に、チャンスでもあり、楽しみでもあります。わたしはそういうことがとても好きなのです。いくつかのコンセプトは互いに関連しています。しかし、わたしたちが175のようなクルマでやりたいことの1つは、今までとは違う新たな製品ラインを構築することです」
需要に応じて様々な仕様が実現可能
ライターズによれば、2つの新しいアーキテクチャは非常に高い柔軟性を、将来のモデルにもたらすという。
「われわれはV6ともV12とも明言したことはありません。しかし、多くの可能性は考えられます」と、ライターズは言う。「わたしの仕事は、会社に様々なモデルの可能性を与えることです。すると会社はわれわれ開発陣に、市場ではどんなモデルが求められているのかということを伝えてきます」
「様々な顧客の需要に応じて、どれだけの広さが必要か、6気筒にするか8気筒にするか、ホイールベースはどれくらい長くするかを検討します。それによって、われわれはV6でもV8でもV12でも、フロントエンジンでもミドシップでも、ハイブリッドでもそうでなくても、二輪駆動でも四輪駆動でも、2シーターでも2+2シーターでも4シーターでも提供することができます。ホイールベースも様々な長さに調整可能です。非常に簡単に、大きな負担もなく対処できるのです」
デザイナーとエンジニアが協力
デザイン部門を率いるフラヴィオ・マンゾーニによれば、デザイナーたちはブランドにとって議論を呼ぶこの新モデルのプロポーションを最適化するため、最初からエンジニアリング部門と共に作業を進めたという。
「われわれはまず最初に、クルマのデザインを定義することから始めます」と、マンゾーニは言う。「この定義する過程において、われわれはエンジニアたちと共に取り組みます。それによってデザインの最適なベースとなるプロポーションとディメンションを明確にすることができるのです」
「SUVの場合も同様です。多くのSUVは別のクルマから派生したモデルとして作られています。デザイナーには技術面から多くの制約が課せられます。しかし、われわれの場合、一切の妥協はありません」
「エンジニアたちと一緒にパッケージングを定義することから始めなかったら、間違いなく問題が生じます。われわれが新しいプロジェクトに着手したとき、そこには称賛に値する多くの共同作業がありました」