■どんなクルマ？

最も高いオーバーランド・トリムを採用したグランド・チェロキーは、衛星ナビ、ブラインド・スポット警告、そしてクルーズ・コントロールを標準で装備する。われわれは、初期のグランド・チェロキーをテストしてことがあるが、その時は貧弱なインテリアのクオリティにがっかりし、更にオフロード走破性にも疑問をもったものだった。しかし、最新のモデルはそんな問題点を克服していた。

■どんな感じ？

237bhp、56.1kg-mのパワー、トルクは2.5トン近いボディ・ウエイトにも十分だ。0-100km/hも8.2秒とまずまずで、V6エンジンの性能に不満はない。但し、高回転域になるとライバルよりも荒々しい感じがすることは否めない。しかし、それは大きな問題ではなく、基本的に5速オートマティック・ミッションによるクルージングは十分に静かだ。

シャシーは落ち着いていて、ストッピング・パワーも十分だ。

インテリアも素晴らしい作りだが、カー・ダイナミクスという点からすればやや完璧ではない。

ロードノイズとウィンド・ノイズは抑えられている。フロントはルーミーで、リアの荷室スペースは十分だ。若干の期待はずれは、本革とその他の材質のクオリティがイマイチであったことだ。インテリアのクオリティにおいては、ライバルとの比較に耐えうるものではないかもしれない。

■「買い」か？

グランド・チェロキーは良いクルマだ。後は、あなたの予算の中でオーバーランド・モデルを買うべきかどうかを検討するだけである。そのプライスはローバー・ディスカバリーとBMW X5を変えるだけの金額であるからだ。もちろん、どちらのモデルともにスタンダード・モデルしか買うことができない。

あなたが、どこにプライオリティを置くかによって、その選択はきまるだろう。装備はそれなりだが、価格の安いエントリー・レベルのリミテッド・トリムを選ぶのが無難かもしれない。

(ジム・ホルダー)

ジープ・グランド・チェロキー 3.0 V6 CRD1 オーバーランド

価格	44,955ポンド(590万円)
最高速度	202km/h
0-100km/h加速	8.2秒
燃費	12.0km/l
Co2排出量	218g/km
乾燥重量	1280kg
エンジン	2987ccV6ディーゼル
最高出力	237bhp/3600rpm
最大トルク	56.1kg-m/1800rpm
ギアボックス	5速オートマティック