追い越し車線「2kmまでOK」は都市伝説? 2km以下でも捕まるクルマ、続々
公開 : 2019.08.25 06:00 更新 : 2019.08.25 18:28
「通行帯違反」は、速度違反に次ぐ件数
教習所で「2km」と教えていても、実際には1kmでも1.5kmでも捕まっている。
追い越し車線を走り続ける「通行帯違反」に関しては年間どれくらいの取り締まりが行われているのだろうか?
平成30年交通安全白書にある、「平成29年高速道路における交通違反取締り状況」によると、総数は52万4161件。
1位は最高速度違反で37万4085件、それに続く2位が車両通行帯違反で6万1362件となっている。
速度違反に次ぐ2位とは、意外に多いと思うかもしれないが、平成26年は8万2459件あり、ここ数年は(取り締まり件数の総数が減っていることもあるが)通行帯違反の取り締まり件数は減りつつある。
対してあおり防止対策として大幅に増えているのが、「車間距離保持義務違反」の取り締まりだ。
平成29年が6139件だったのが平成30年には1万1793件と2倍近い件数にまで増えている。
車間距離を詰めて先行車両に接近する「車間距離保持義務違反」は、あおり運転につながるということだろう。
もちろん、それは否定しないが、ではなぜ適切な車間距離を取らずに先行車に接近する事態になるのか? ここにも注意が必要だ。
車間距離を取らずに接近する=先行車に追いつくということ。このような状況にも適用される道路交通法がある。
正しい追い越し車線の走り方をおさらい
追い越しが終わって走行車線に安全に戻れる状況でありながら、追い越し車線を走ることは「通行帯違反」になる。
また、後続車が接近してきた場合、法定速度以下で走っている先行車は道交法第27条「追いつかれた車両の義務」によって進路を譲らなくてはならない。
これは1車線の道路でも同様で、できるだけ左側に寄って先に行かせる義務がある。
最後に追い越し車線の走り方についてまとめる。
・追い越し車線は追い越しが終わったら安全を確認して走行車線に戻る。その際距離は関係なく、2km以下でも通行帯違反の取り締まり対象となり、逆に交通状況から渋滞などで2km以上走行せざるを得ない場合は違反とはならない。
・法定速度以下で走行中に追いつかれた先行車は後続車に道を譲る義務がある。追いつかれても道を譲らず後続車の走行を妨げることは、あおり運転を誘発することにもつながる。あおり運転のほとんどは、先行車がノロノロ走っていて道を譲らないことから始まっている。
「後ろにクルマが来ていることに気づかなかった」「煽られているのに気づかなかった」「なぜ自分が煽られているのか理由がわからない」というひともいる。
しかし周囲の交通状況を把握しないで走ることは、道交法第70条の安全運転義務違反→「操作不適」「前方不注意」「動静不注視」「安全不確認」「安全速度違反」「予測不適」「その他」の7区分のうち、「動静不注視」「予測不適」などに該当する。
あおり運転を誘発することなく常に周囲の交通状況にアンテナを張って安全運転を心掛けたい。