ポルシェ・タイカンに初試乗 700ps/103.5kg-m以上 911に近い感覚
公開 : 2019.08.29 05:50 更新 : 2021.02.10 17:27
偉業と呼べるほどに現時点で最高のEV
タイカン・ターボの価格はターボSよりも1万5000ポンド(195万円)安い、12万ポンド(1560万円)ほどになるとのこと。わたしならターボで、小径な方の20インチホイールを選択するだろう。しなやかな足まわりにタッチのいいブレーキの組み合わせを好む。ターボSに標準装備される後輪操舵システムは、タイトコーナーでの身のこなしや安定性を考えると、追加したいところ。
実際のほとんどのオーナーは、1万5000ポンド(195万円)を節約するよりも、ターボSでさらにオプションを乗せるだろう。わたしや友人としては、少々財源が足りないようだけれど。
タイカンがEVだということを一度忘れて考えてみる。クルマの仕上がりや走りの面で、正式なポルシェといえるだろうか。カイエンとパナメーラという存在がある中で、プロトタイプの第一印象としては、間違いなくポルシェだと感じた。もしタイカン以上にドライビングを楽しみたいのなら、ドライバーの後ろに内燃機関がぶら下がっているポルシェを選ぶ必要がある。
また、わたしが知りうる限り、最も快適で、最も静かなグランドツアラーでもある。長距離移動を非常に快適にこなす完成度の高さは驚異的なレベルで、ひとつの偉業といえるものだと思う。では、EVスポーツカーとして、世界で初めて主流の存在になり得るだろうか。そこには疑問の余地がある。間違いなくスポーティなクルマだが、週末の早朝に目覚ましをセットして、郊外の道を目指すことはないだろう。そもそも、ピュアなスポーツカーは目指していないはず。
だとしてもポルシェ・タイカンは、現時点で最高のEVであり、1km走る毎に、高い満足感を得られるEVであることは、明言できそうだ。発表は9月上旬となっている。
ポルシェ・タイカン(ターボS・仮称)・プロトタイプのスペック
価格:13万5000ポンド(1755万円・予想)
全長:−
全幅:−
全高:−
最高速度:249km/h(以上)
0-100km/h加速:3秒以下
航続距離:498km(ミッションE)
CO2排出量:0g/km
乾燥重量:2250kg(予想)
パワートレイン:ツイン電動モーター
バッテリー:90kWh以上
最高出力:700ps以上(オーバーブースト時)
最大トルク:103.5kg-m以上
ギアボックス:2速ダイレクトドライブ