英国版中古車のすゝめ W126型Sクラス メルセデス・ベンツ380SEC-560SEC
公開 : 2019.08.31 07:50 更新 : 2022.08.08 07:54
オーナーの意見を聞いてみる
トマシュ・ビルテクは500SECを所有して3年になる。「レストア前提のクルマとして、2000ポンド(26万円)ほどで手に入れました。走行距離は英国では短い方といえる、16万kmほど。購入時はトゥイッケナムからリバプールまで、自走して戻ってきました」
「レストア作業はかなりゆっくりですが、一度始めたら止められません。すでに1万5000ポンド(195万円)以上は掛かっています。ボディ周りを直して再塗装し、インテリアも直してあります。ダッシュボードの木目パネルやサスペンション、エグゾースト、ホイールも交換しました。部品を探すのは少々大変で、値段も安くありません」
「部品取り車からいくつか部品を調達しています。そのかわりにメルセデス・ベンツ・クラシックパーツ社のレストアも少し手伝いました。作業を続けてはいますが、まだ満足はしていません。新しいブレーキディスクとキャリパーも取り付けたいですし、今年の10月にはポーランドへ行って7000ポンド(91万円)ほどでエンジンのリビルトもしてもらう予定です。SECが大好きなんですよ」
SECは完璧といえるグランドツアラー。アウトバーンをかっ飛ばすか、フランス南部の海岸を、窓を全開にして流すのがよく似合う。高級ホテルのラウンジのような上質さだけでなく、突出した製造品質にも感銘を受ける。大きなボディの割に軽量で、想像よりも燃費がいいのが嬉しい。
掘り出し物を発見
メルセデス・ベンツ560SEC 登録1987年 走行25万8000km 価格1万7995ポンド(233万円)
28枚の完璧な整備記録が残り、殆どが正規ディーラーによるもの。2016年以降の走行距離は少なく、新しいリアのブレーキキャリパーに、複数のサスペンションブッシュやアーム類、点火系交換されているだけでなく、タイミングチェーンとガイドも新調してある。タイヤは2014年のファイアストーン製で磨耗も少ない。
ラゲッジスペースのカーペットが湿っぽいが、シール材は2017年に交換済み。内装はきれいでカーペットやヘッドライニングの状態も良好。レザーシートとダッシュボードの両脇にヒビが見られる。バッテリートレイの下とサスペンションタワーのサビ修理に少々費用が掛かりそうだ。アピアランスの状態もよく、ペイントも恐らくオリジナル。プラスティック製のパーツは交換してあるだろう。
エンジンの始動性も良く走りも滑らか。ATの動作やブレーキの効きも良好。時計は時折止まるようだが、すべての機能が正常に動いている。オーナーズ・ハンドブックとレザー製のポーチ、2本の鍵が付く。