ロードテスト メルセデス・ベンツCLA ★★★★★★☆☆☆☆

公開 : 2019.08.31 11:50

快適性/静粛性 ★★★★★☆☆☆☆☆

基本的なレベル、たとえばシートや操作系の仕立てが提供するものは実に快適で、風切り音の静かさもなかなかだ。しかし、乗り心地や外乱の遮断ぶりは、これまでに試乗した現行Aクラスより不足している。ということは、よくできたライバル車には大きく遅れを取るということになる。

エンジンは高回転まで回すと聞き流せないほどうるさく、サスペンションも路面不整を不思議なほど伝えてくる。また平坦でない道では落ち着きなく跳ね、大きく鋭い突起では、プレミアムセダンのレベルよりドタバタする。スポーティぶった仕様だとはいっても、目をつぶるわけにはいかないほどだ。

よほど路面が滑らかでなければ、乗り心地はかなりつらい。
よほど路面が滑らかでなければ、乗り心地はかなりつらい。    Luc Lacey

ある水準以下の路面では背景騒音があまりにも大きく、フロントサスペンションの油圧ブッシュが十分な効果を発揮しているとはいえない。そこにきつい突起や道路のジョイント、荒れた舗装が加われば、CLAのサスペンションを苦しめる粘りのなさが、誰の目にも明らかになる。

路面のきれいなA級道路なら、ロールのなさやサポートに優れたシートにより、落ち着いて身体を預けていられる。そして、そこそこハイペースで走っても、滑らかで疲れ知らずに感じられる。

ところが、舗装が悪くなるにつれ、その安定ぶりも失われていき、さらに、硬くとげとげしくなる。

過酷なB級道路では、不意に起こるそこそこ速いがあまり大きくない突き上げに対し、サスペンションの追従性や衝撃吸収の巧みさが不十分で、トラベルも足りず、バンプからバンプへ飛び跳ねるような状態になりやすい。また、前後輪どちらかだけに入力があると、背の低いクルマとしては驚くほど頭を揺すられることになる。

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