フェラーリ落札額 下落傾向も、値上がり中のモデルとは RMサザビーズ・オークション

公開 : 2019.09.02 06:20  更新 : 2020.12.08 18:00

値上がりしたフェラーリと、値下がりしたフェラーリ。オークションバブル前の価格に落ちるモデルが多いなか、どんな車種の値が上がったのでしょう? 北米のオークションを分析。

RMサザビーズ・モントレー・オークションとは

text: Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:RM Sotheby’s

オークションハウスにとって天王山といえるのが、8月のモントレーカーウィークに開かれるコレクターズカー・オークションだ。様々なクラシックカー・イベントが開かれるモントレーカーウィークには世界中からエンスージァストが集まるだけに、オークションの注目度も高いからである。

RMサザビーズにとっても一年の頂点に位置し、その存在を跨示する場ともいえるだけに、例年超怒級のクルマを多数用意して行われてきた。

「2億3484万円で落札された1969年フェラーリ365GTS」
「2億3484万円で落札された1969年フェラーリ365GTS」

今年は会期をこれまでの2日間から3日間に拡大したのが特徴で、初日となる8月15日は世界的に注目される存在であるアストン マーティンだけのワンメイク・オークションとされたのがニュースだ。ここには1952年アストン マーティンDB2からDB5ボンドカー、DB5シューティングブレークといったスペシャルから、2018年ヴァンキッシュ・ザガート・ヴォランテ・ヴィッラ・デステまでのマニア垂涎の34台と、ザガートで描かれたテクニカルドローイングまでが用意され、人気を集めた。

残る2日間はメーカーを問わないいつもの展開だが、そこはリーダー格のRMサザビーズ。同じタイプのモデルを両日に用意するほどで、それはフェラーリ275GTBや365GTB/4デイトナ、ジャガーXJ220、フォードGTポルシェ・カレラGTなどの希少車にも及ぶことからも、オークションにかける意気込みが分かろう。

最高落札額 マクラーレンF1 21億円

全体的に見てゆくと当初発表された予想落札額は強気の設定で、バブル再びと思わされた。しかしオークションを終えてみれば、タマ数のあるモデルは予想落札額以下で終えており、昨今の経済不安もあり高額車も以前ほどの値が付かなくなっている。

これだけの主役級が揃うオークションだけに1台1台説明できないが、トップ10を見ると大体の傾向が見えてこよう。その結果は以下のとおり。

「21億924万円で落札された1994年マクラーレンF1 LMスペック」
「21億924万円で落札された1994年マクラーレンF1 LMスペック」

1994年マクラーレンF1 LMスペック(21億924万円)
1962年フェラーリ250GT SWB(8億6745万円)
1965年フォードGT40ロードスター・プロトタイプ(8億1473万円)
1965年アストン マーティンDB5ボンドカー(6億8001万円)
1960年ポルシェ718 RS60ワークスカー(5億4315万円)
2006年フェラーリFXX(3億7488万円)
1995年フェラーリF50(3億1950万円)
2014年フェラーリ・ラ フェラーリ(3億1391万円)
1969年フェラーリ365GTS(2億3484万円)
2014年パガーニ・ウアイラ・テンペスタ・スコッツィア(2億1726万円)
1966年フェラーリ275GTB(2億1141万円)
1965年アストン マーティンDBシューティングブレーク(1億8798万円)

結果を見るとRMサザビーズらしい顔ぶれとなり、最高値を記録したマクラーレンF1はファクトリーでLMスペックにアップグレードされた希少さが評価された。

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