フェラーリ落札額 下落傾向も、値上がり中のモデルとは RMサザビーズ・オークション
公開 : 2019.09.02 06:20 更新 : 2020.12.08 18:00
下落したフェラーリ、値を上げたフェラーリ
フォードGT40の原型といえるロードスター・プロトタイプは、ようやくオークションに出てきたことから8億1473万円で落札されている。DB5ボンドカーは本物ゆえに適正といえる額で終え、ポルシェ718 RS60はスターリング・モスやグレアム・ヒル、ダン・ガーニー、ハンス・ヘルマンが乗ったワークスカーというヒストリーが評価され5億4315万円まで値を上げた。
フェラーリは250GT SWBが下落、反対にF50は新記録をマークしている。注目したいのは365GTSが大きく値を上げたことだ。
ひと昔前はそれほど評価されなかったのだが、カリフォルニア・スパイダーに端を発するオープンモデルへの注目度の高まりから、250GTカブリオレ・ピニンファリーナから275GTS、330GTSが大きく値を上げることになったのである。そのため、今回のオークションでは275GTBと落札額が逆転してしまった。
また、以前松田コレクションが所有していたフェラーリ288GTOは、アメリカに渡ったのち何度かRMサザビーズで出品されてきたが、今年のモントレーで再びその姿が見られた。
しかし予想落札額が2億7158〜2億9820万円と強気だったため、またしても流れてしまった。また注目されていた1962年フェラーリ196SPだが、12気筒モデルではなかったことから予想落札額の8億5200〜10億6500万円まで入札がなく流札に終わっている。
ボロボロのマセラティ
会場で最も注目を集めたのがボロボロの1961年マセラティ5000GTクーペ・ギアだ。
スクーターのランブレッタを手掛けたフェルディナンド・イノチェンティが購入した、ギアによるワンオフ・モデルで、コンディションを考えると驚きの5677万円で決着がついた。
変わったところでは、ガレージ・フランコルシャンの壁面に飾られていたフェラーリ330GTCのプロフィール・ディスプレイが出品され831万円で落札された。
アメリカならではの出品といえるのがリンカーンのスタイリング・スタディモデルとして1955年にイタリアのカロッツェリア・ボアノで製作されたインディアナポリス・エクスクルーシブ・スタディ・ボアノだ。今の目で見ても美しいスタイリングで超貴重な1台だけに1億1769万円を記録した。このほかシェルビーGT350はオリジナルを保つ1965年の最初期型が姿を現し、アメリカでも貴重な個体だけに4447万円まで値を上げた。
なお、このオークションで主役になる予定だったポルシェ実質的1号車といえるタイプ64だが、進行の不手際で額を間違えるという失態を犯してしまい、さらには最低落札が約20億円と高かったことから流札に終わっている。