消費増税まで1か月 クルマの購入、増税の前後どっちが得? 維持費どう変わる?
公開 : 2019.08.31 07:30 更新 : 2021.10.22 10:17
消費増税まで1か月。増税前後で、おトクなクルマがあります。また、自動車税、ガソリン代や駐車場代など、どれくらい変わるかについて、渡辺陽一郎がまとめました。
もくじ
ー消費税率は10%に 一方で自動車税を引き下げるなど新しい仕組み
ー1500cc以下の車種、増税後の方がトク
ー価格以外にも、様々な出費に2%消費増税
ーガソリン税に消費税を掛ける!? 二重課税
ー判断が難しい駐車場の使用料金
消費税率は10%に 一方で自動車税を引き下げるなど新しい仕組み
2019年10月1日には、消費税率が従来の8%から10%に引き上げられる。
たとえば税抜き車両本体価格が200万円のクルマは、消費税率が8%なら税込み価格は216万円だが、消費税率が10%に増えると220万円だ。
消費増税で、負担が4万円増える。
そして商品の価格は、消費税を含んだ金額を表示するから、2019年10月1日にはクルマの価格が一斉に値上げされる。
クルマの価格が高まると販売面で不利になるため、2019年10月1日以降に登録すると、自動車税が年額1000円から4500円の範囲で引き下げられる。
また自動車取得税は廃止され、似通った税金の環境性能割が新たに導入される。これも2019年10月1日から2020年9月30日までに登録すると、臨時の軽減税率が適用される。
飲食料品のような消費税率を8%に据え置く措置はないが、クルマ関連の税金も刷新される。
このほか購入時、あるいは購入後に支払う法定外諸費用、車検や点検費用なども消費増税の対象になる。
消費増税で変わるクルマ関連の税金をわかりやすく解説したい。
1500cc以下の車種、増税後の方がトク
まずクルマの購入段階で、消費増税による負担の変化を考えたい。
クルマの価格は冒頭で述べたように、2%の消費増税分だけ値上げされる。
ただし福祉車両は、以前から非課税。厚生労働大臣が指定する身体障害者用物品の規定に当てはまる車両は、今後も消費税が課税されず、消費増税の影響も受けない。
また2019年10月1日以降の登録では、前述の通り自動車税が引き下げられる(軽自動車税は変更なし)。
新しい自動車税は、
・排気量1000cc以下が年額2万5000円(4500円の引き下げ)
・1001〜1500ccは3万500円(4000円の引き下げ)
・1501〜2000ccは3万6000円(3500円の引き下げ)
という具合で、排気量が小さなクルマほど引き下げが多くなる。
逆に2501cc以上の区分は、一律1000円の引き下げにとどまるから、小さなクルマほどトクをするわけだ。
1000cc以下の車種は、比率に換算すると15%も自動車税がカットされる。
そして1000cc以下の車種は価格も安いから、消費増税額が少ない。消費税8%時の価格が120〜130万円のコンパクトカーなら、10%になっても増税額は2万円少々だ。
そうなると5年間所有すれば自動車税の減額が2万2500円に達するので(4500円の引き下げ×5年分)、消費増税分を取り戻せる。
また増税後1年間は、環境性能割の軽減措置も実施されるから、1000ccクラスのコンパクトカーは消費増税後に買う方がトクをする。
消費増税の前と後の損得分岐点は、1500cc以下のエンジンを搭載して、車両価格が160万円(消費税8%時)を下まわる車種になる。
この条件に当てはまるコンパクトカーを買うなら、消費増税後が買い得だ(ただし環境性能割の軽減期限となる2020年9月30日までに登録する)。
逆に1500cc/160万円を超える車種は、できれば増税される前に買いたい。