消費増税まで1か月 クルマの購入、増税の前後どっちが得? 維持費どう変わる?
公開 : 2019.08.31 07:30 更新 : 2021.10.22 10:17
価格以外にも、様々な出費に2%消費増税
クルマを買う時には、法定費用とされる税金や自賠責保険料、法定外費用になる販売会社の各種手数料も支払う。
このうち、税金にはもちろん消費税は課税されない。保険も任意保険料を含めて非課税だ。
したがって消費増税と保険料は無関係なハズだが、任意保険料は、消費増税を切っ掛けに値上げされる可能性もある。
消費増税により、保険会社が負担する事務所費用や宣伝費などが増えるからだ。この増額分が、任意保険料に転嫁される。
販売会社が受け取る法定外費用(検査登録手続代行費用、車庫証明手続代行費用、納車費用など)は、消費税の課税対象だから値上げされる。
車両価格が200万円のクルマを買う場合で、法定外費用の合計額は6万円前後だ。2%の消費増税だと、1200円くらいの上乗せになる。
購入時に注文するメンテナンスパックなども消費増税の対象だ。
要は一部の法定費用を除くと、大半の出費に消費税が課税され、10%に増税されると考えてよい。
ガソリン税に消費税を掛ける!? 二重課税
クルマを買った後に支払うさまざまな出費でも、消費増税が行われる。
挙げていくとキリがないが、わかりにくい事例をいくつか述べておこう。
まずは燃料の価格だ。ガソリンの場合、1L当たりのガソリン税は53.8円、石油税は2.8円が加算されている。
これだけでも相当な金額だが、消費税は、ガソリンの本体価格+ガソリン税+石油税に課税されるのだ。税金に消費税を掛ける二重課税になっている。
したがって消費税8%の時に、ガソリンの本体価格が1L当たり70円だとすれば、税金を加えると総額は137円だ。半額近い67円は、二重課税を含めた税金で占められる。
消費税が10%になると、税金を含んだガソリン価格は3円上がって140円になる。本体価格は前述の70円だから、税金によって小売価格は本体価格の2倍に跳ね上がるのだ。
仮に70円の本体価格に、単純に消費税だけを上乗せした場合、消費税率が8%なら75.6円、10%は77円だから増税されても1.4円しか高まらない。それが二重課税のために、増税額も2倍の3円になってしまう。
いい換えれば消費税を4%上乗せしたのと同じだ。
クルマのユーザーにとって、消費増税が最も辛いのは、二重課税に基づく燃料価格の高騰だろう。
もう1つ判断が難しいことがある。
判断が難しい駐車場の使用料金
もう1つ判断が難しいのは駐車場の使用料金だ。
国税庁によると、土地を貸すことは非課税取り引きに含まれ、課税対象に入らないとしている。
しかし貸しているのが土地にとどまらず、地面が舗装されてフェンスなども完備された「駐車場という施設」であれば、消費税の課税対象になる。
そうなると月極めとか時間貸しの駐車場は、消費税の課税対象に含まれ、2019年10月1日以降は値上げされる理屈だ。
ただし増税幅は2%だから、消費税8%の時間貸し駐車場料金が10分/100円なら、10%でも使用料金は102円だ。値上げするとしても、月極め駐車場のみだろう。
このほか高速道路の通行料金も、2019年10月1日に値上げされる予定だ。
10円未満は四捨五入するという。課税前の通行料金が2000円の区間なら、消費税8%では2160円、10%なら2200円だから40円の値上げだ。
それにしても燃料の二重課税は、必要に迫られてクルマを使うひと達を困窮させる。大至急、二重課税をやめてシンプルにすべきだ。
わかりにくい税体系を作り、都合よく搾取する魂胆は捨ててもらいたい。高速道路の通行料金も、安く抑えることを考えたい。