ブガッティ・シロン 量産車最速記録 490.485km/h 初めて300mphを突破
公開 : 2019.09.03 07:50
記録達成の瞬間 クルーは知らず
エーラ=レッシエンで挑戦を始めてから4日後、シロンは299.8mph(482.5km/h)という最高速度を達成した。300mphの壁までかなり近づいた。それでもウォレスは、さらに速く走るための奮闘を続けていた。
そして記録挑戦のラップで、ウォレスは「ザ・ジャンプ」をさらに速く走り抜けることができると、充分な自信を感じていた。「着地した後、わずかに進路を修正しながら、今までで一番うまくいったと思いました。横風がやや少なく、安定を保てました」
ウォレスは車載GPSのディスプレイに表示された490km/hという数字を目にして、記録更新したことを知った。しかし、ライブ・テレメタリーはこの速度を捉えることができず、最大で479km/hと表示しただけだった。それから数分後、クルマがピットに戻ってから、クルーはシロンが300mphの壁を破ったことに気付いた。
「無線でわたしがなぜそんなに喜んでいるのか、かれらは理解できていなかったのです」と、ウォレスは語る。その後、シロンの車載データレコーダーによって、記録は確認された。
速度記録挑戦は完了
しかしブガッティは、これでやめるつもりだという。同社のステファン・ヴィンケルマン社長は、超高速に対するブガッティの探求は満たされたと語っている。
「わたしたちは世界最速のクルマを作っていることを、これまでに何度か証明してきました。将来は、別の分野に集中するつもりです」と、ヴィンケルマンはプレリリリースで述べた。「ブガッティは初めて300mphの壁を破りました。その名前は永遠に、歴史に刻まれるでしょう」
ウォレスにとって、これは3度目の量産車最速記録挑戦だった。以前にはマクラーレンF1とジャガーXJ220で当時の最速記録を達成している。「最高にクールです」と、かれはAUTOCARに語った。「もし2年前に、誰かが『あなたはいずれ300mphを超えるでしょう』と言ったら、わたしはきっと、その人は頭がおかしいと思ったことでしょう」