トヨタ・オーリス・ツーリング・スポーツ1.8ハイブリッド
公開 : 2013.06.29 19:00 更新 : 2021.01.28 17:39
■どんなクルマ?
ツーリング・スポーツという名前の与えられたトヨタ・オーリスのエステート・モデルだ。その名前からは少しスポーティで特別なモデルを想像するかもしれない。しかし、このトラディショナルなエステート・モデルは、実はしっかりしたマーケットを持っているのだ。実際、トヨタはこのオーリス・ツーリング・スポーツの60%が、カンパニーカーの駐車場に収まると予想する。
オーリス・ツーリング・スポーツは、現代的なワゴンだ。そして最も特徴的なのは、ハイブリッド・モデル用のドライブトレーンとバッテリーパックが、ブートスペースを犠牲にすることなく収納されているということだ。それだけではない。そのブートスペースは1658ℓとクラス最大の容量を誇っている。その荷室は2mの長尺物を積み込めるだけでもなく、大きいテールゲートを持ち、取り外し可能なロールアウト・パーシェル・シェルフが装備される。
エンジンは、1.8ℓのハイブリッドの他に、1.3ℓおよび1.6ℓのガソリンと1.4ℓのディーゼルの4種類が用意され、トリムは4種類用意される。今回試乗したのはハイブリッド・モデルで最も高価なトリム、エクセル・パッケージだ。
■どんな感じ?
オーリス・ハッチバックと似ているように感じるかもしれないが、実際に走ってみると違いははっきりしている。特に、リア・サスペンションのダブル・ウィッシュボーンは、より良い乗り心地を提供してくれる。適度な速度では、きちんとアンダーステアを打ち消してくれ、高いグリップをもたらしてくれるのだ。
しかし、ステアリングに若干の曖昧さがある。オーリスのチーフ・エンジニアによれば、それはタイヤのせいもあるという。テスト車はオプションの17インチ(標準は15インチ)のダンロップSPスポーツ・ファストレスポンスを履いていたが、このタイヤがCO2排出量を92g/kから85g/kmにまで引き下げる効果をもたらしているが、その分、ステアリング・レスポンスに悪影響を与えるのだ。
このエステートを定期的に荷物の運搬用に使用するのであれば、このハイブリッド・エンジンは最高のチョイスだ。14.5kg-mというトルクは、電気モーターの補助があるにもかかわらず若干頼りなく感じるかもしれない。事実、ベルトドライブのミッションは、常に高い回転を保ち、心地良くないサウンドをキャビンに侵入させる。特に、荷物を積んでいる時は、このサウンドをしばしば耳にする。
しかし、積荷が多くない時は、オーリスはゆとりのあるハッチバックと同じドライブ・フィールを持つ。
キャビンは、その形状、材質、テクスチャーなどにまとまりがなく、ライバルたるフォルクスワーゲン、キア、ヒュンダイ、フォードなどに較べても高級感は少ない。
■「買い」か?
荷物を多く積むのであれば、クラス最高のブート・スペースを持つオーリス・ツーリング・スポーツは、充分購入を検討に値するモデルだ。しかし、ディーゼル・モデルのトルクと経済性を考えるのならば、そちらの選択肢もある。
ツーリング・スポーツの不正確なステアリングは、魅力を半減させるし、うるさい旧式のダッシュボードにも問題がある。価格は適正かもしれないし、装備も充分だが、購入するかどうかは考えなくてはならないだろう。
(リチャード・ブレムナー)
トヨタ・オーリス・ツーリング・スポーツ1.8ハイブリッド・シナジードライブ・エクセル
価格 | £22,845(345万円) |
最高速度 | 175km/h |
0-96km/h加速 | 11.2秒 |
燃費 | 25.0km/ℓ |
CO2排出量 | 92g/km |
乾燥重量 | 1465kg |
エンジン | 直列4気筒1798cc+電気モーター |
最高出力 | 132bhp/5200rpm |
最大トルク | 14.5kg-m/4000rpm |
ギアボックス | CVT |