ホンダe 市販モデルの画像とスペックが初公開 136psと154psの2種類
公開 : 2019.09.05 07:50
サイドミラー代わりにカメラを標準装備
ホンダeは、サイドミラーに代わってカメラを標準で装備する。コンパクト・セグメントでは初めてのことだ。このシステムは後方の様子をリアルタイムで6インチ・スクリーンに映し出す。ホンダによれば、カメラを採用したことで空気抵抗を90%も削減できたという。車両全体では空力効率が3.8%向上し、航続距離を最大限に伸ばすために大きな役割を果たしている。
さらに、このサイド・カメラ・ミラー・システムには2つのモードが用意されており、視野を標準とワイドで切り替えることができる。一般的なミラーに比べ、死角が少なくとも10%は減ったと、ホンダは主張している。雨などによって視界が妨げられることを防ぐため、カメラには特別に開発された撥水コーティングが施されるという。
格納式ドアハンドルも、空気抵抗の削減に一役買っている。充電ポートはボンネットの中央に備わる。
車内には、ダッシュボード全面にわたる5つのスクリーンが搭載されている。その中心となる2つの12.3インチLCDタッチスクリーンは、ネットに接続されたインフォテインメント・サービスを操作できる。その下のダッシュボードはウッド調仕上げとなっており、これはリビングルームに居るような雰囲気を乗員に感じてもらうためにデザインされた。機械学習を使ったAIは乗員の声を認識し、自然に会話するような音声コマンドで操作することも可能だ。
アップル製品のようなクルマに
このクルマのレトロなデザインは、アップル社の製品のように顧客を魅了すると、ホンダは信じている。人見は以前、このクルマの市販化を巡って、社内で論争が交わされたと語っていた。コンセプトカーで好意的な反応を得たことが、製品化の承認を得るための重要な鍵になったという。
ホンダeの価格は3万ポンド(約390万円)程度からとなる見込みで、英国では10月に注文受付が始まる。納車は2020年の春になる予定だ。EVの購入に支給される3500ポンド(約45万円)の補助金を計算に入れれば、実質的には2万6500ポンド(345万円)ほどだが、ライバルとなるプジョーの電気自動車「e-208」より約1500ポンド(約20万円)は高い。
人見は、このクルマが手に入れやすいことは「重要」だと語るが、「低価格は必ずしも成功の保証にはなりません。アップルの製品を見てください。けっして安くはありませんが、誰もが欲しがります。それは付加価値があるからです。電気自動車にも同じことが言えると、わたしたちは確信しています」と、付け加えた。