チャイルドシート間違い使用、5割強 急ブレーキで転がり落ちる危険も 正しい着用方法は
公開 : 2019.09.08 06:00 更新 : 2021.06.17 22:05
ユルユルハーネス 危険な本当の理由
話を戻して、ミスユースのほとんどを占めるハーネスの不正使用について紹介しておこう。
ここで言うところのハーネスとは、チャイルドシート本体についている主に肩ベルトの事である。
このハーネスによって子どもの体をチャイルドシートに固定する。ハーネスの高さや締め具合が正しいかは、チャイルドシートが車両シートに正しく取り付けられているかどうか? と同じくらいに重要なポイントとなる。
ハーネスがゆるいと、子どもがその間から自力で抜けだす危険もある。もちろん、衝突事故の衝撃でハーネスの間から体が飛び出して車外に放出される危険もある。
具体的には子どもの体を拘束するハーネスの高さや締め具合が問題だ。チャイルドシートが正しく車両に取り付けができていたとしても、ハーネスの位置が体に合っていない、締め具合がユルユルな場合、衝突事故の衝撃から子どもの体を100%安全に守ることはできないと思った方がいいだろう。
事故の強い衝撃だけではなく、急ブレーキ程度の衝撃でも子どもの体はハーネスの間から飛び出し、チャイルドシートから床に転げ落ちて大けがをする危険もある。
特にママ人気の高い回転式チャイルドシートの場合は、回転のベースとなる台座がついている分、全高が高くなる。
さらにそのようなシートをミニバンなど車高が高いクルマで使っていると、セダンやクーペに比べて「高低差」も大きくなるため、転がり落ちて打ちどころが悪いと命の危険もある。
ハーネスがユルユルで拘束力ほぼゼロの状態では、「チャイルドシートを使っている」とは到底言えず、ただチャイルドシートの上に座っているだけに等しい。
つまり大人で言えばシートベルトをせずにクルマに乗っているのと同じだ。
これだけは守って! 正しい着座状況とは
まず乳幼児用チャイルドシートは後部座席で使うのが原則である。
そして乳児用シートはどんな場合も必ず後ろ向きで使用する。
乳幼児兼用の場合は体重10kgまで、乳児専用は13kgくらいまで、最新の安全基準R129(i-Size)は生後15か月までは後ろ向きがマストである。
子どもを座らせる際には極力薄着が望ましい。車両シート、チャイルドシート、子どもの3者が可能な限り密着していることが高い安全性につながる。
同じ理由で、新生児用のインナークッションは使用時期を過ぎたら取り外すことをお忘れなく。1歳過ぎてもインナークッションを使っているケースを頻繁に見かけるがそれは大変な間違いである。
インナークッションの上に子どもが乗っている状態では子どもの体とチャイルドシートが密着できていないので拘束力は弱くなり、何より子ども自身も不快なはずだ。
そしてハーネスは指2本入る程度のキツさでしっかり締める。「きついと赤ちゃんが窮屈だと思ってゆるく締めていた」という親もいるがそれはNG。
筆者がこれまで相談を受けてきた約200人の親子から聞いた話を総合すると、チャイルドシートに乗るとぐずったり泣き叫んだりする子どもの着座状況は、ほぼどのシートもハーネスがゆるくて高さもあっていない。
チャイルドシートの中で体が不安定になることも不機嫌の原因かもしれない。