ロードテスト フォード・レンジャー ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2019.09.07 11:50
内装 ★★★★★★★☆☆☆
量販車ベースのパフォーマンスカーに乗り込むと、ピアノブラックやカーボン風のプラスティックパネル、アルカンターラのトリムやアルミのペダルなどでそれとわかるもの。赤いステッチがあちこちに入る、などというのもありがちだ。
このラプターでも、やり方は似たようなものだ。ただし、ステッチの色はフォードのバッジを思わせるブルーだ。
シートは、クッションをアルカンターラが覆い、ラプターのロゴが入る。一般的なピックアップのそれと比べればホールド性の高い形状となっているが、ありがたいことにフルバケットではない。円形のステアリングホイールは大きく、中立位置に赤いストライプが入っている。ロック・トゥ・ロック3.5回転で、大きく舵を切ることの多いクルマであることを考えると、センターをわかりやすくすることはホットハッチなど以上に意味をなすといえる。
シフトパドルはマグネシウム素材。ブルーのステッチはステアリングホイールのリムだけでなく、ダッシュボード上面を覆うレザーにも施され、安価なピックアップのインテリアを700万円オーバーのクルマらしく仕上げている。
そうした変更は、どれも功を奏している。リアシートは2人乗りと割り切ったほうがいいが、前後ともスペースは広い。タッチ式ディスプレイとメディアシステムも含めて、このラプターは商用車ではなく、まずまずきちんとした乗用車だという印象を受ける。ただし、硬く安っぽいプラスティックが使われている部分もあるのに目をつぶれるのであれば、だが。
キャビンの背後は通常のレンジャーと同じサイズの荷台で、それを覆うカバーの選択肢は多い。テールゲートは見た目より開けやすいが、地上高があるので、荷台にアクセスするには踏み台がいるだろう。
ラプターの運動性能を高めるシャシー改修は、積載性にも影響を与えている。牽引能力はベース車の3500kgから2500kgに、荷台の1t以上あった積載重量も758kgまで減少した。つまり、これはトラックではなくパフォーマンスカーとして付き合うのが正しいということになる。