ロードテスト フォード・レンジャー ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2019.09.07 11:50

操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆

ロック・トゥ・ロックが3.5回転もあるステアリングは、岩や石が転がる道を進む際にすばらしいアキュラシーを見せるが、オンロードではレスポンスが遅い。

このメカニズムでは、舵を切るのにちょっとばかり骨が折れ、その余分な労力が一般的なSUVではなく、リフトアップしたピックアップに乗っているという事実を思い出させる。

シャシーはオンロードでも苦もなく操れるが、オフロードタイヤの限界は低い。
シャシーはオンロードでも苦もなく操れるが、オフロードタイヤの限界は低い。    OLGUN KORDAL

とはいえ、このレンジャー・ラプターの鼻先の向きを変えるのは、ひどくつらい作業ではない。ステアリングはほどよい軽さで、レスポンスはリニアなので、コンフィデンスが萎えるようなこともない。

フィールもまずまずあり、ボディのロールは十分うまく抑えられている。元気よく走っても、ハンドリングは実に正確に感じられる。

それらもろもろが相まって、これほど大きなクルマでありながら、路上での位置決めはイージー。運転に物怖じするようなことはない。

だとしても、狭い道ではその巨大さを実感させられる。もっとも、たいていの縁石や植え込みは踏み越えられるとわかっていれば、安心して前へ進めるだろう。

ゴツいBFグッドリッチは、泥道や轍だらけの悪路でトラクションをフルに発揮するのに対し、オンロードでは制約がある。それがウェットコンディションでも、この事実は変わらない。コーナーの脱出で過剰にスロットルを開けると、後輪が実に激しく足取りを乱す。もっとも、その変化はプログレッシブで、抑えがきいており、型通りといったところだ。

それよりつまらないのは、アンダーステア傾向だ。2.5tの重量が生む勢いは、鋭い方向転換で容易に前輪の能力を圧倒し、湿った路面ではノーズが大きく流れる。電子制御のハンドリングエイドは、スイッチオンのままにしておくほうがいい。

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