330psの直6ディーゼル搭載 4代目 メルセデス・ベンツGLE 400dに試乗
公開 : 2019.09.12 09:50
トップグレードとなるGLEのディーゼルエンジン搭載モデル、400d。エンジンの洗練性やインテリアの設えは満足できる内容ながら、乗り心地やコーナリングの面では物足りないとする英国編集部。Eアクティブ・ボディコントロールの設定がカギとなりそうです。
もくじ
ー330psの直列6気筒ターボユニット
ー最大トルクの71.2kg-mは1200rpmから
ー静的質感は高いがボディコントロールで及ばず
ーメルセデス・ベンツGLE 400d 4マティックAMGライン(7シーター)のスペック
330psの直列6気筒ターボユニット
かつてはMクラスと呼ばれ、4代目へと進化したメルセデス・ベンツのGLEに、トップグレードとなる強力なディーゼルエンジン・モデルが登場した。GLE 400dが搭載するのは直列6気筒ターボユニットで、最高出力330psと最大トルク71.2kg-mを発生する。
同じエンジンの味付け違いとして350dが存在し、そちらは最高出力271psを発生している。またエントリーグレードとして、245psの4気筒ディーゼルを搭載した300dも存在する。最高出力に関係なく、GLEはすべてのグレードで9速ATと4輪駆動という設定になる。
最高出力以外は、基本的に400dはGLEの他のグレードと大きな違いはない。新しくなったボディは先代よりも長く、広くなり、全高は低くなっている。また初めてオプションとして、3列目シートを追加して7名乗りが選択できるようになった。テクノロジーの面ではメルセデス・ベンツの最新の内容が盛り込まれ、インテリアもハイテク感が漂いつつ、質感も高い。オプション・グレードとしてAMGラインの設定もある。
今回のGLEで最も注目するべきポイントが、知的なEアクティブ・ボディコントロール。AIRマティック・サスペンションと呼ばれる48V電圧で作動する電子制御エアサスに、カメラで路面をスキャニングし、4本のタイヤそれぞれで最適な減衰力や柔らかさを生み出す機能が組み合わされたものだ。
最大トルクの71.2kg-mは1200rpmから
かつてのSクラスには、前方の路面をスキャニングして乗り心地を最適化する、マジック・ボディコントロールという機能があったが、その進化版だともいえるだろう。国際発表時は感銘を受けた内容だったが、残念ながら英国には導入予定がなく、今回の試乗車にも搭載されていなかった。
新しいGLE 400dで驚かされるのが、ディーゼルエンジンの仕上がり。近年のガソリンエンジンでも珍しいと感じるほど、とても魅力的な音響を兼ね備えた、素敵なユニットだ。ボディの内側に収まるユニットがディーゼルだと気づかせないサウンドながら、わずか1200rpmという低回転域から最大トルクを湧出する。その力強い加速感に、思わず笑顔になってしまうはず。
ディーゼルながら、回転フィールは渋る感じもなく滑らか。メルセデス・ベンツによれば0-100km/h加速は7.6秒とのことだが、それよりも速く感じられた。また400dは太いトルクを生かしてトレーラーなどの牽引も得意分野。英国の場合、1150ポンド(15万円)のトーイング・パッケージが用意され、最大牽引重量は3500kgまでとなる。
実環境での燃費としては、高速道路と市街地を複合して走行した試乗時の平均で10.6km/Lとなった。ボディも大きく、車重が重いクルマであることを加味しても良い数字とはいえないが、85Lの大きな燃料タンクが備わるから、1回の給油で走行できる距離は965kmほどに達する計算にはなる。