航続距離548kmの純EV フォルクスワーゲンID.3発表 注文は2020年を予定

公開 : 2019.09.10 10:40  更新 : 2021.02.02 18:46

製造は2021年から年33万台ペース

すべてのスペックはまだ公表されていないものの、モーターのトルクは31.6kg-mで、エントリーグレードとミドルグレードのID.3の最高速度は159km/hとなる。ミドルグレードでは100kWの急速充電器が使用可能で、250km分の距離を走る充電に要する時間は30分以内だという。エントリーグレードの場合は50kWの充電器に対応となるが、オプションで100kWにも対応できるという。トップグレードのクルマは125kWの急速充電器にも対応する。フォルクスワーゲンは8年間、もしくは走行距離25万7000kmまでバッテリーを保証するとしている。

インテリアは現行のフォルクスワーゲンのモデルと比較するとやや質素。ビショフはこう説明する。「シンプルでクリアなデザインにより、インテリアの革命を起こしたと考えています。車内空間を増やし、開放的な雰囲気を作ることで新たな価値を与えました」

フォルクスワーゲンID.3
フォルクスワーゲンID.3

ID.3のファーストエディションの価格は、現地で4万5000ポンド(585万円)ほどとなる見込み。

フォルクスワーゲンによれば、自社として初めてとなるカーボン・ニュートラル・モデルがID.3となる。製造から流通までに必要となるエネルギーのすべてが、再生可能エネルギーか、環境に配慮したと認定されたものを利用するという。ID.3はフォルクスワーゲンのドイツ・ツヴィッカウ工場で、2021年から年間33万台のペースで製造される予定だ。

プロダクトマネージャーへインタビュー

発表に合わせて、ID.3のプロダクトマネージャー、クリスティーン・レイダー アルバートへいくつか質問をしてみた。

ID.3には3段階の航続距離が設定されますが、フォルクスワーゲンは航続距離の設定に対してどう考えていますか?

「わたし個人としては今の生活環境では60kmもあれば充分です。市場の反応を見る必要があります。おそらくID.3の場合は、中間の航続距離を持つクルマが人気となると考えています」

ID.3 GTIの予定はありますか?

フォルクスワーゲンID.3
フォルクスワーゲンID.3

「それについては間違いなく検討中です。でも、ゴルフと同じラインナップにはならないでしょう。できるだけシンプルにしたいと考えていますが、IDの高性能版は検討中です。4輪駆動の高性能なIDは、きっと楽しいクルマになるでしょう」

フォルクスワーゲン・ゴルフと同等の台数を販売できるのはいつになると考えていますか?

「ゴルフはまだフォルクスワーゲンの最前線にあるクルマです。ID.3はさらに市場を拡大できる、カッコいい弟的な存在のクルマだと思います。いつ頃ゴルフに並ぶかは、わたしには答えられません」

フォルクスワーゲンがEVのワイヤレス充電を導入するのはいつになるでしょうか?

「ID.3には搭載されていませんが、10年以内よりもっと早い時期には搭載されるでしょう。フォルクスワーゲンはプレミアムブランドではありません。自宅のガレージで(ワイヤレス充電のシステムを)準備することは、とても費用が掛かります。プレミアムブランドが1歩進んでいる理由だとも思いますが、検討していることは間違いありません」

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